PARP阻害薬やベバシズマブを用いた維持治療の登場は、卵巣癌の薬物治療における大きなパラダイムシフトとなった。現在、初回化学療法後の維持療法としてオラパリブとニラパリブが使用可能となっており、オラパリブはBRCA遺伝子変異陽性例およびベバシズマブとの併用で相同組換え修復異常(HRD)を有する症例に用いられ、HRD陰性例に対してはニラパリブが使用されている。また、再発卵巣癌の維持治療としては、オラパリブとニラパリブがいずれも白金系抗癌薬感受性の再発卵巣癌に対して適応を有している。こうした維持療法の登場により卵巣癌における生存率が改善した一方で、維持療法の有効性を示した臨床試験を比較してみると、臨床試験によって有害事象の発現率が異なったり、実臨床における維持療法の効果予測が難しいといった課題もある。
2023年7月14日から16日に開催された第65回日本婦人科腫瘍学会学術講演会のシンポジウム「卵巣癌維持療法の日本人リアルワールドデータから見えてくるもの」では、実地臨床での治療成績から、卵巣癌維持療法の有効性や安全性が報告された。
引用元:
リアルワールドデータから読み解く卵巣癌維持療法の現状(日経メディカル)