妊娠前の過度なダイエットが産後うつのリスク増加に関連しているとする世界初の研究結果を、鳥取大医学部の増本年男助教(公衆衛生学)が発表した。研究をまとめた論文は5月に英誌「Scientific Reports」に掲載された。(東大貴)
産後うつは出産後3か月以内の女性の10〜15%が発症するといわれる。研究では、環境省と全国15の研究機関が10万組の母子を対象に2010年度から始めた疫学調査のデータを分析した。
増本助教は環境要因と子どもの健康との相関関係を示すデータを基に、精神疾患の既往歴などを持つ母親を除いた約6万2000人について、妊娠が判明するまでの1年間に〈1〉食事量を3分の2以下に減らす〈2〉間食や夜食を減らす〈3〉ダイエット食品を摂取する〈4〉痩せ薬を使う〈5〉(意図的に)食べた物を吐く〈6〉減量のため喫煙する〈7〉運動をする――という7項目のダイエットをしたかどうかを調べた。
BMI(体格指数)を基に「標準」「痩せ」「肥満」の体形別でみたところ、標準体形の場合、一つでも当てはまると産後うつの発症率が高まり、特に意図的に吐く行為では2倍に増えた。痩せ形では、食事の減量や喫煙で発症率が高まった。
一方、肥満体形で関連がみられたのは喫煙だけだった。増本助教は「肥満は妊娠高血圧症候群などの合併症のリスクを高めるため、適切なダイエットが必要なケースもあるが、標準体形や痩せ形の人の過度な減量は、産後うつを引き起こしかねない」と指摘する。
因果関係は不明だが、スリムな体形への願望が強迫観念となって精神をむしばんだり、減量に伴う栄養不足から心身の健康を害したりしてうつの発症に至ることが考えられるという。研究では、複数のダイエットに取り組むと発症リスクが高まることも明らかになった。
増本助教は「妊娠を考えている女性はダイエットの必要性を慎重に判断してほしい。研究結果が、産後の女性の健康を守ることにつながれば」と話している。
引用元:
妊娠前のダイエット、「産後うつ」のリスク増加…増本鳥大助教(Yahoo!ニュース)