乳児の保護者の方から「赤ちゃんへの言葉がけってどうやるの?」「どんなことを話せばいいの?」というお悩みを聞くことがあります。今回は、赤ちゃんが言葉を次第に理解していく発達の流れを説明し、「乳児期に合う言葉がけ」についてお伝えします。

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■まだおしゃべりをしない赤ちゃん。それでも言葉をかけるべき?

【「言葉のシャワーを浴びせて」などと聞いたことがありますが、正直、どういう言葉をかけるべきか、やり方がわかりません。あやす時に「あぶぶぶぶ〜」とか「わぁー」などの声をかけることはありますが……意味のある言葉もかけるべきでしょうか?】

■声から感情などをキャッチしている新生児

言葉のインプットに必要な土台である、きこえ(聴力)の獲得は胎内にいるころからすでに始まっています。お母さんのお腹のなかでお母さんの声を聞き、生まれた後に他の人の声と区別できたりします。

生まれて間もない赤ちゃんは、かけられた言葉自体の意味を理解しているわけではありませんが、語りかけられる声を聞き、そこに込められている感情を読み取ったり、音のつながりやリズムの特徴を受け取っています。

■生後半年ごろになると、話せずとも“理解できる言葉”も

その後、生後6カ月ごろからは、文での言葉がけの中から知っている単語を取り出したり(言葉の「切り出し」と呼ばれます)、切り出した言葉の意味を周囲の状況と結びつける力が少しずつ育まれていきます。

もちろん言葉がけのすべてを理解しているわけではありませんが、言葉を話し始めるよりも少し前の時期から理解できる言葉がいろいろと増えています。こうした、赤ちゃんが行っている一連の言葉の学習は、いわばお喋りをするための準備期間。周りの人からの毎日の話しかけ・言葉がけによって進んでいきます。なので、まだ言葉を話さない時期の赤ちゃんへの言葉がけはとても大切です。

■赤ちゃんへの言葉がけ、意識したい「2つのトーク」

なにを話せばいいか分からないという人は、赤ちゃん自身のことを話す「パラレルトーク」と、自分のことを話す「セルフトーク」を意識してみてください。

・赤ちゃんのことを話す「パラレルトーク」

パラレルトークでは、赤ちゃんが見ているものや、赤ちゃんの行動から、“きっとこんな気持ちかな?”を想像して言葉がけをします。
「おなかいっぱいだね〜」「スッキリしたね〜」「眠たいね〜」などと話しかけてあげましょう。赤ちゃんがじっと注目して見ているものがあれば、それについて「葉っぱ落ちてきたね」のように、目の前の状況を言葉とつなげていくような言葉がけをしていきます。

・大人のことを話す「セルフトーク」

セルフトークでは、「鍵を開けるよ」「お野菜を切るよ」「お洗濯が終わったよ」のように、大人自身の行動や思いを言葉にします。
目の前で起こっていることが言葉になっていくと、言葉の理解の広がりにつながります。また、言葉の理解の前段階として、周囲の状況を赤ちゃんなりに知ったり分かったりしていくことが重要です。状況が分からないために、お子さんが不穏になり待てない、落ち着かないことは意外と多いものです。大人が今何をしているところなのかよく見せるよう日々心掛けていくことで、状況理解や言葉の理解が進みます。理解が進んだことで、落ち着いて待てることが増えたというエピソードを聞くことがあります。

■言葉以外にもある赤ちゃんとのコミュニケーション方法

会話にならない赤ちゃんに向かって、言葉がけを続けるのはひとりごとのようで気恥ずかしいと思う保護者の方もいるかもしれません。そうしたときは、必ずしも「言葉」にこだわる必要はありません。

・言葉を使わない「ノンバーバルコミュニケーション」

私たちはノンバーバルコミュニケーションと言って、言葉を直接使わないでコミュニケーションを取ることができます。赤ちゃんの言語発達には、このノンバーバルコミュニケーションが先行し、そのあとに意味のある言葉の発達が続くという流れがあります。

では、ノンバーバルコミュニケーションとはいったいどんなものでしょう?

赤ちゃんが発する”言葉以外のサイン”には、
✅ 嬉しいときや構ってほしいときの発声
✅ アイコンタクトや目くばせといった視線の動き
✅ 両腕や両足をばたばたさせたりするなど身体の動き
があります。

成長や発達が進むと、「食べる」「オムツを替える」「お風呂に入る」「だっこしてもらう」などのお世話でのかかわりの際に、より伝わりやすいノンバーバルコミュニケーションが増えていきます。

例えば、
 離乳食の際に口を「アーン」と開けてスプーンが運ばれてくる準備をする
 抱き上げられやすいよう腕や身体を伸ばそうと構える
こうした様子もコミュニケーションのひとつです。

・交互に反応し合う「ターンテイキング」
まだ言葉を話せない赤ちゃんのうちから、会話の練習は始まっています。会話にはキャッチボールのように順番の交代がありますが、それをターンテイキングと呼びます。

言葉ではなくても、ターンテイキングが何往復か交わされていくことを意識してみてください。

例えば、
 赤ちゃんが「だぁ!」と言ったら大人もまるっきり同じように「だぁ!」と返す
 「うーうー」といったら「うーうー」と真似する
などです。

難しく考えすぎず、これでOK! ターンの交代は声だけでなく、アイコンタクトなどの視線の動きや手をぱちぱちとするような身体の動きで返し合うのもアリです。

周囲の大人が気負って大量の言葉を一方的に浴びせるよりも、「お互いに通じ合っている感覚」が少し先の言葉を育みます。むしろゆったりと時間を取って、赤ちゃんの番を作ってあげるよう意識してみてください。

引用元:
赤ちゃんへの「言葉がけ」は必要? 子どもの言葉力を育てる“2つのトーク”を言語聴覚士が解説(YAHOO!JAPANニュース)