妊娠を目指す「妊活」や不妊治療をしている男女の4割弱が、仕事に「マイナスの影響があった」と考えていることが明らかになった。4割強が「退職」など仕事上の変化があったとも答えており、妊活や不妊治療を巡る厳しい実態が浮かぶ。

 製薬会社「メルクバイオファーマ」(東京都)が調査し6日、結果を発表した。調査は体外受精など不妊治療が公的医療保険の適用対象となって1年となる今年4月に実施。不妊治療を経験した全国の20〜40代の男女400人(各200人)にインターネットで聞いた。

 「妊活や不妊治療は仕事にマイナスの影響があったと思うか」という問いに「とても思う」「やや思う」と回答したのは計36・3%で、「あまり思わない」「まったく思わない」の計27・5%を上回った。

 仕事上の変化は、退職(15・5%)▽休職(10・0%)▽職場での居心地が悪くなった(9・3%)▽給与ダウン(7・0%)――のほか、異動(4・8%)、降格(2・8%)もあった。

 一方、働いている322人の企業に妊活・出産・育児に関する制度が「ある」と答えた人は8割弱を占めたが、このうち107人(43・3%)が「制度を利用したことがない」と回答した。理由は「制度があることを知らなかった」(26・2%)が最多で、会社からの周知が十分とはいえない現状が浮き彫りになった。

 この400人を含む同世代の男女3万人にもインターネットで関連質問をしたところ、自身またはパートナーが不妊治療をした人は10・7%(3204人)だった。今後働く企業・団体を選ぶ際に、妊活・不妊治療を含めた出産・育児に関する制度があるかどうかを「重視する」とした人は39・4%に上り、特に20代では50・2%と半数を超えた。

 厚生労働省が6月に公表した2022年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当する合計特殊出生率は1・26で、05年と並んで過去最低となった。

 ◇「企業は制度の利用環境整えて」

 日本女子大の永井暁子教授(家族社会学)は「企業は今後ますます、子どもに恵まれたい社員がキャリアを損なったり諦めたりすることなく、安心して妊活や不妊治療、出産や育児に取り組めるよう制度を充実させていくことが求められる。企業は制度を作るだけでなく、必要な人が必要なときに利用できるような空気、環境を整えることが重要だ」とコメントしている。【山下貴史】

引用元:
妊活や不妊治療、「仕事にマイナス」36% 退職や休職など経験(YAHOO!JAPANニュース)