精子と卵子の受精を経ずに、ヒトの受精卵(胚(はい))に似た細胞の集合体「胚モデル」をつくったと、英米の二つの研究チームがそれぞれ論文を発表した。これまで難しかった、ヒト胚のごく初期の成長の仕組みを明らかにするのに役立つと期待される。

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 一方で、生命をつくりだす技術につながるという懸念もあり、論文の著者らは「研究の目的は、生命を創造することではない」と強調している。成果は、6月27日付で科学誌ネイチャーに掲載された。

 精子と卵子が受精してできた胚は、母親の子宮に着床して胎児へと育つ。この過程は失敗が多く、胚の約60%は、着床前後の段階でうまく育たなくなるとの推計もある。

 このような、ヒト胚の成長のごく初期段階の詳しい仕組みは、ほとんど分かっていない。本物の胚を使った研究が倫理的に厳しく制限されていたり、そもそも着床後の胚を観察するのが技術的に難しかったりするためだ。

 本物の胚を使わず研究をするため、英ケンブリッジ大などの研究チームは、ヒトのES細胞(胚性幹細胞)を特殊な条件で培養して、胚モデルをつくることに成功した。培養開始から4日ほどで、受精から9日ほどたった本物のヒト胚と同じような構造になった。その後、羊膜など、着床後につくられる組織や細胞と同じような特徴の細胞も確認できたという。

 ヒトの細胞を使った胚モデルは、これまで複数のチームから報告されていたが、着床後の状態を十分に再現できていなかった。米イエール大のチームも今回、同じような手法で、ES細胞から着床後の状態を模した胚モデルをつくることに成功した。

引用元:
受精を経ずにヒトの受精卵モデル 英米2チームがES細胞から作製(Yahoo!JAPANニュース)