高松の専門学校生ら製作
検診やワクチン接種 若者目線で紹介
 高松市の専門学校生らが県の依頼を受け、子宮 頸けい がん予防の啓発動画を製作した。当事者世代でもある学生らは、医師の指導を受け、がんについて学び、検診による早期発見やワクチン接種を動画で呼びかける。「がんを正しく知り、理解を深めてもらえたら」と期待する。(岩崎千晶)

 子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因で、子宮の出口にできる。厚生労働省によると、国内では20〜30歳代の女性の 罹患りかん が増え、2021年は2894人が亡くなっている。

 また、HPVは性交渉で男女問わず感染するため、男性も肛門がんなどを発症するリスクがある。

 早期発見には検診が重要だ。県によると、県内の市町が実施する子宮頸がんの検診で、20歳代の受診率(2020年度)は11・6%で、全国平均(11・8%)をわずかに下回った。

 県は若い世代に働きかけるため、専門学校「穴吹デザインカレッジ」(高松市)のネット動画クリエイター学科に動画製作への協力を依頼した。

アバター姿の学生らが登場する動画
 学生12人が台本から手がけた。半数は日頃からユーチューバーや「バーチャルユーチューバー(Vチューバー)」として動画配信を行っているといい、県産婦人科医会の監修のもと、数か月間で仕上げた。

動画は2本(各7〜8分)。1本目は検診の手順をたどりながら、かかる費用や時間を紹介。医師へのインタビューでは、「内診や検査は痛くないですか」、「がん検診を受けたことを周囲に知られたくないのですが」などと当事者目線の質問を投げかけた。

 もう1本では、分身の「アバター」姿で出演し、HPVへの感染を防ぐワクチンの接種方法などを紹介している。

 参加した男子学生(19)は心がけたことを「学生目線で専門家に聞く姿勢を意識した」とし、別の男子学生(19)は「親しみやすく明るい雰囲気にした」と振り返った。

 男子学生(20)は「女性の病気だと思っていたが、男性にも関わりがある。広く知ってほしい」と話している。

 動画は県のホームページから視聴できる。

積極的勧奨を再開
 子宮頸がんの予防ワクチンは、2013年4月から小学6年〜高校1年の女子が無料で受けられる「定期接種」となったが、接種後に体の痛みなどを訴えるケースが相次ぎ、国は同6月に積極的勧奨を中止した。ワクチンの安全性や有効性が認められたとして、22年4月に積極的勧奨を再開した。

 国は、積極的勧奨を中断した期間に接種の機会を逸した1997〜2005年度生まれの女性への救済措置として、22〜24年度に「キャッチアップ接種」を導入。15歳以上は3回必要なワクチンの接種を公費で受けられるようにした。

 香川大医学部の塩田敦子教授(産科婦人科学)は「他のがんと異なり、子宮頸がんは若い世代もかかり、『マザーキラー』とも呼ばれる」と指摘。「ワクチン接種で予防することができるので、受けてほしい。接種と合わせ、継続的な検診も重要となる」としている。

引用元:
子宮頸がん予防 動画に(讀賣新聞)