サルの胚性幹細胞(ES細胞)から卵子になる手前の「 卵母らんぼ 細胞」を作ることに成功したと、京都大の斎藤通紀教授(細胞生物学)らのチームが発表した。まだ初期の段階だが、霊長類では世界初の成果で、不妊症の原因解明などに役立つという。論文が国際学術誌に掲載された。


 卵子は、精子や卵子のおおもとになる「始原生殖細胞」が次の段階の「 卵原らんげん 細胞」、卵母細胞へと変化し、誕生後に第二次性徴を経てできる。斎藤教授らは2018年、人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から卵原細胞を作ったが、それ以上は成熟しなかった。

 今回は、まず始原生殖細胞を、雌のカニクイザルのES細胞から作製。マウスの胎児から採取した卵巣の細胞と一緒に培養し、7週間かけて卵原細胞へと変化させた。この細胞を再びマウスの卵巣細胞と一緒に培養すると、8週間で初期の卵母細胞になった。

 次の世代へ遺伝情報を伝えるため染色体の数を半分にする「減数分裂」の初期段階に入っていることも確認した。

 斎藤教授は「研究を進めて卵子の発生過程を再現したい。人で卵子を作ることができれば、現在はほとんどわかっていない不妊の詳しい原因を探る研究が可能になる」としている。

引用元:
霊長類で世界初、サルのES細胞から卵子になる「卵母細胞」を作成…京大チームが発表(読売新聞)