福島県ならではの不妊治療支援を−。県は2023(令和5)年度、国の公的医療保険の適用対象とならない不妊治療の費用の一部を県独自に補助する方針を固めた。経済的事情で不妊治療を諦めるカップルを減らし、出生率の向上につなげる狙いだ。関係者は支援が少子化の歯止めにつながると期待する一方、妊娠を望む夫婦の総合的なサポートのさらなる充実を求める声もあった。
支援策のイメージは【図】の通り。昨年4月の国の制度改定後、体外受精や胚移植などの不妊治療は公的医療保険の適用対象となっている。一方、受精卵の異常を調べる「着床前診断」など保険適用外の治療と組み合わせた場合は、適用対象の治療も含めて全額が自己負担。治療費は高額になるケースがあるため、県が一部を補助する。先進医療を利用した場合も支援対象とする。
体外受精などの不妊治療への保険適用には年齢や治療回数による制限がある。治療開始時点で40歳未満の場合は6回、40歳以上43歳未満は3回が上限で、43歳以上は対象とならない。県は年齢や回数の上限を超えた場合にも独自に助成する方向で調整している。
県は独自支援策について年間千人弱の利用を見込む。補助率や上限額など具体的な内容は調整中。2023年度一般会計当初予算案に関連事業費1億8800万円を計上している。
独自支援策は20日の2月定例県議会代表質問で内堀雅雄知事が自民党の西山尚利議員(福島市)の質問に明らかにした。内堀知事は「少子化の進行に歯止めをかけるには結婚・出産・子育ての希望をかなえる環境づくりが重要だ。福島ならではの支援策を深化させる」と強調した。
晩婚化などを背景に不妊治療を受ける人は増加している。2019年に出生した子どものうち、およそ14人に1人は不妊治療を経て生まれたとの統計がある。県内の団体からは支援策の充実を求める声が出ていた。
■「意義は大きい」 福島医大子ども・女性医療支援センター長
不妊治療を専門とする福島医大ふくしま子ども・女性医療支援センターの高橋俊文センター長(57)は県独自の補助方針に期待感を示し、「患者の経済的負担を軽減できる意義は大きい」と指摘した。
その上で、「治療がうまくいかなかった人のケアをどうするかを併せて考えていくことが必要だ。里親制度など行政の取り組みとの連携も今後の課題になるだろう」と語った。
引用元:
赤ちゃん諦めないで 福島県が不妊治療応援へ 国の医療保険適用外が対象 経済負担減へ独自策(福島民報)