妊婦が医療機関だけに身元を明かして出産する「内密出産」について、国内で初めてとなる事例からおよそ1年となる中、熊本市の慈恵病院の蓮田健院長が記者会見し「生きづらさを抱える人たちの安全な出産のために内密出産はなければならない」などと述べ、改めて取り組みの必要性を強調しました。

熊本市の慈恵病院は、予期せぬ妊娠をした女性の自宅などでの「孤立出産」を防ぐため、病院だけに身元を明かす「内密出産」を独自に導入しています。

病院では去年12月、内密出産を希望する女性が赤ちゃんを出産し、これまでに7人の妊婦が赤ちゃんを出産したと公表しています。

22日は、国内初の内密出産からおよそ1年となるのに合わせて蓮田院長が記者会見し、「非常に大きな転換点となる1年だった。社会の中で内密出産がセーフティーネットとして形をなしてきていると思う」と述べました。

国がことし9月、内密出産に関するガイドラインを策定したことについて「存在を認めてもらい大きな安心につながった」と述べました。

そのうえで、赤ちゃんの殺人や遺棄事件があとを絶たないことに関して、「生きづらさや、支援が必要な人たちの安全な出産のためには内密出産はなければならない。今後もケースを積み上げて、できれば都道府県に1つずつこうした施設ができるような社会を目指したい」などと述べ、改めて取り組みの必要性を強調しました。

一方で蓮田院長は内密出産で生まれた子どもの出自については何をどこまで伝えるのかなど課題があると指摘し、今後、熊本市と課題を整理する方針だということです。

引用元:
「内密出産」1年 慈恵病院長が会見 取り組みの必要性強調(NHK NEWS WEB)