日本における新型コロナウイルス(SARS−CoV−2)新規感染者数は、流行第6波以降減少していたものの、6月第3週から徐々に増加に転じており、今後の動向が懸念される。そうした中、日本産科婦人科学会は6月27日、妊婦へのCOVID−19ワクチン接種に関する積極的勧奨をあらためて呼びかけた(関連記事「 妊婦へのワクチン接種で出生児の感染リスク低下 」)。

妊婦におけるワクチンの必要性と安全性の最新データを提示

日本産科婦人科学会は、妊婦は新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の重症化リスクが高く、COVID−19罹患妊婦の管理や分娩方法について制限を設けている医療機関が多いことから、感染しないためのワクチン接種や感染予防の啓発は依然として重要だと述べている。

 SARS−CoV−2ワクチン接種後の副反応や胎児への影響についての懸念も根強いが、国内外から妊婦へのワクチン接種は母体の重症化と周産期死亡率の低下に寄与することや、妊婦への接種の安全性を示す疫学データが得られているとし、最新の報告を6つ挙げた。

同学会は「まだSARS−CoV−2ワクチン接種を済ませていない妊婦に対し、あらためて接種を勧めてほしい。ワクチンの必要性、安全性を説明する際に参考にしてもらえれば」と呼びかけている。

【日本:日本産科婦人科学会周産期委員会、周産期における感染に関する小委員会】
中等症II以上のCOVID−19罹患妊婦は全てワクチン未接種例〔 日本におけるCOVID−19妊婦の現状〜妊婦レジストリの解析結果(2022年6月7日付報告) 〕

SARS−CoV−2ワクチンの副反応の出現率は非妊婦と同等。1回目接種後1.65%、2回目接種後2.98%の妊婦に腹緊が認められた。重大な症状(出血、胎動減少、浮腫、血圧上昇、破水)は1%以下( J Obstet Gynaecol Res 2022年5月10日オンライン版 )

【米国】
医学的処置が必要となった急性有害事象発現率は1%未満。妊婦へのSARS−CoV−2ワクチンの接種は医学的処置が必要な急性有害事象のリスクを上げない( N Engl J Med 2022年6月22日オンライン版 )

ワクチン接種による妊娠後期合併症、早産や発育遅延は見られない( MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2022;71:26−30 )

【スイス】
妊婦へのワクチン接種は新生児の有害事象を高めない( Lancet Reg Health Eur 2022;18:100410 )

【イスラエル】
SARS−CoV−2ワクチン接種の有無による新生児入院、先天性異常、乳児死亡の発生率に有意差は認められない( JAMA Pediatr 2022;176:470−477 )(編集部)

引用元:
妊婦へのコロナワクチン接種を勧奨 日本産科婦人科学会が再度呼びかけ(ヨミドクター)