米国Harvard大学のAndrea G. Edlow氏らは、妊婦のSARS-CoV-2感染が生まれた子が1歳になるまでの神経発達に与える影響を検討する後ろ向きコホート研究を行い、妊娠中にSARS-CoV-2に感染しなかった妊婦の子どもに比べ、神経発達障害と診断されるリスクが有意に高く、中でも妊娠第3期での感染した妊婦の子がハイリスクだったと報告した。結果は2022年6月9日のJAMA Network Open誌電子版に掲載された。

 疫学研究は、妊婦の免疫系の活性化が、子の神経発達に影響を及ぼすことを示唆している。インフルエンザなどの他のウイルス感染を含む妊娠中の母親の感染は、自閉症スペクトラム障害、統合失調症、脳性麻痺、認知機能障害、双極性障害、不安やうつ病など、子孫の神経発達に悪影響を及ぼす結果と関連していることが報告されている。しかし、母親のSARS-CoV-2感染が胎児の脳発達に与える影響については、まだ報告が少ない。

 そこで著者らは、2020年3月から9月までに、マサチューセッツ州内の大学病院2施設と地域の6病院で生児を出産した全ての親子を対象として、PCR検査により確定した妊娠中のSARS-CoV-2感染歴と、乳児が生後1年間に神経発達障害と診断されるリスクの関係を検討することにした。

 主要評価項目は、生後12カ月以内の神経発達障害の診断とした。具体的にはICD-10コードの「F80 会話及び言語の特異的発達障害」「F81 学習能力の特異的発達障害」「F82 運動機能の特異的発達障害」「F84 広汎性発達障害」「F88 その他の心理的発達障害」「F89 詳細不明の心理的発達障害」「F70-F79 知的障害」などの診断を受けた場合とした。交絡因子候補となる母子の社会人口学的な特性や臨床特性も含めて、全てのデータは電子健康記録から抽出した。母親の感染時期は、妊娠第1期(0〜12週)、第2期(12〜26週)、第3期(26週から分娩まで)に分類した。



引用元:
妊婦中のSARS-CoV-2感染は出生児の神経発達障害に影響か(日経メディカル)