三重県は1日、不妊治療中の県民に実施したアンケート調査の結果を発表した。相談できるところがない人と相談先が分からない人の割合は前年の調査より減少したが、治療のために離職した人や仕事との両立に悩む人の割合は増加。県は「依然として希望通りに働けない人が多く、職場の理解促進に努める」としている。

 県によると、調査は不妊治療を受けている人の実態把握などを目的に令和元年度から実施し、3回目。今年1月から3月までに不妊治療費の助成を申請した人などに依頼し、555人から回答を得た。

調査結果によると、治療について「相談できるところがない」「どこに相談すれば良いか分からない」と答えた人は16.3%で前年から7.1ポイントの減少。相談先は医療機関が最も多く、75.8%を占めた。

 一方、治療に専念するために仕事を辞めた人は14.1%(78人)で、4.7ポイントの上昇。「職場に迷惑を掛ける」との理由が目立ったほか、上司から「遠回しに退職を勧められた」との回答もあったという。

 仕事を続けていても「治療との両立が難しいと感じている」と答えた人の割合も82.7%で、前回調査から7.8ポイントの上昇。「職場に理解がある」と答えた人でも、両立が難しいと答えた人は78.5%に上る。

 治療中の社員が主治医に示された配慮事項を企業側に伝える厚生労働省の「不妊治療連絡カード」を「知らない」と答えた人は91.5%で、依然として認知度は低い。利用している人も13%にとどまった。

 県子育て支援課は治療への専念を理由にした離職の増加について「知識や理解が職場に浸透していないことが背景にあると考えられる。企業にとっても貴重な人材を失うという点で深刻な問題」と指摘した。

 治療と仕事の両立に悩む人が多い現状には「専門家によるセミナーなどを通じて企業に治療への理解を促す。治療について話しやすい環境を整え、管理職の理解を深めてもらえるようにしたい」としている。

引用元:
離職者割合が増加、仕事との両立悩む人も 三重県が不妊治療の調査結果(伊勢新聞)