手術の保険適用で 20年9月〜21年8月…専門機構調査
がんになりやすい遺伝子変異がある「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」の女性を対象に、健康な乳房や卵巣を摘出する手術(予防切除)が、2021年8月までの1年間に全国で209件と、前年の1・6倍に急増したことが、専門機構の調査でわかった。20年4月に、がん予防を目的に初めて保険適用された手術で、その影響の大きさが明らかになった。
HBOCは、遺伝子検査で、乳がんや卵巣がんなどの発症に関係する二つの遺伝子変異が見つかった場合に診断される。女性では、80歳までに7割が乳がん、2〜4割が卵巣がんになるとされ、予防切除や検診が推奨されている。
調査は、関連3学会でつくる「日本遺伝性乳 癌がん 卵巣癌総合診療制度機構」が、全国のがん専門病院など105の加盟施設を対象に実施。20年9月〜21年8月の実績を集計した。
この間にHBOCの女性が受けた予防切除手術は209件で、乳房は前年比2・3倍の68件、卵巣・卵管は同1・3倍の141件だった。一方、期間中の遺伝子検査も前年比1・7倍に増えた。がん患者やその家族ら男女6377人が検査し、このうち789人がHBOCと判明した。
HBOCの予防切除や検査の保険適用は、乳がんや卵巣がんを発症した人に限られ、未発症の患者家族などは対象外となっている。同機構の中村清吾理事長は「保険適用で新たながんのリスクを減らせる患者が増えた一方、未発症の人への支援は不十分だ」と指摘している。
引用元:
遺伝性乳がん・卵巣がん 予防切除1・6倍に急増(ヨミドクター)