長野県大町市の市立大町総合病院で2020年11月から休止していた出産の受け入れが今月再開された。産科医の退職による休止から1年5カ月間、大北圏(大町市、池田町、松川村、白馬村、小谷村)は県内の10医療圏で唯一、分娩(ぶんべん)できる医療機関がない状態だった。

 13日、同病院では空白地解消を祝う「分娩再開キックオフ集会」が開かれた。北九州市で19年間、産婦人科医院を経営していた高山俊弥医師(65)が昨年11月に着任し、出産の受け入れ再開に向けて準備を進めてきた。産婦人科の常勤医は当面は高山医師1人だが、10月には2人体制になる予定だという。

 同病院では休止前、年間100件ほどの出産があった。高山医師は「北九州では年間300件から400件ほど扱っていたので、十分対応できる。まずは12月までに30件弱を見込んでいる。地域の方が安心してお産ができるようにしたい」と話した。

 県医師・看護人材確保対策課の担当者は「1人の医師が来るだけでも、その意味は大きい」と話す。全国的に産科・救急医は不足しており、県人口あたりの産科医数は全国平均を下回っているという。

 12日には再開後初めての出産があり、無事に終えた。大町市の牛越徹市長は「産科医不足と少子化で、産科の維持の難しさを痛感した。お産の環境整備に力を尽くしたい」。高山医師は「不採算部門と言われる産科だが、いずれは収支がプラスになるように頑張りたい」と話した


引用元:
分娩「空白地」1年5カ月ぶりに解消 大町総合病院(朝日新聞デジタル)