ラットのES細胞(胚性幹細胞)を精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」に変化させ、精子を作ることに成功したと、小林俊寛・東京大特任准教授(幹細胞生物学)らのチームが発表した。生殖細胞についての研究が進み、不妊治療への応用が期待できるという。論文が科学誌「サイエンス」に掲載された。
チームがラットのES細胞約4000個をボール状の塊にして培養し、生殖細胞への変化を促すたんぱく質を加えたところ、数日で約2割が始原生殖細胞になった。この細胞を、自らは精子を作れない特殊なラットの精巣に移植すると正常な精子が作られ、子孫を残すことができたという。
ES細胞を始原生殖細胞に変化させ、正常な個体を誕生させたのは、これまでマウスでしか成功例がなかった。マウスよりも生理的な特徴が人間に近いとされるラットでも実現したことで、今後、応用の広がりが見込まれる。チームは、今回作製した細胞から卵子を作る研究も進めている。
林克彦・大阪大教授(生殖生物学)の話「マウス以外の動物で、ES細胞から機能する精子まで作れたのは重要な成果。どのように生殖細胞が分化するのかなど、より理解が進むことが期待できる」
引用元:
ラットES細胞で精子作りに成功…東大などのチーム、不妊治療への応用に期待(ヨミドクター)