静岡県富士市は4月1日より、国の定期接種ワクチンに含まれていない9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種費用の一部助成を開始すると発表した。助成の対象は、定期接種ワクチンの2価または4価のHPVワクチン定期接種、およびキャッチアップ接種(2022年から3年間実施)の対象者。自治体による9価ワクチンの費用助成は全国初と見られる。(取材・まとめ:m3.com編集部・坂口恵)
9価希望の定期接種・キャッチアップ接種対象者に一部助成
今回の一部費用助成は、定期接種の2価・4価ワクチンではなく9価ワクチンの接種を希望する人(保護者)の経済的負担の軽減を目的に行われるという。(1)接種日時点で富士市に住民登録がある、(2)9価HPVワクチン以外のHPVワクチンの接種を1回も受けたことがない、(3)これまでに9価ワクチンの接種にかかる費用補助を受けたことがない――の3つ全てに該当する人が対象となる。
補助額は接種1回につき原則1万7000円程度、1人最大3回までの補助を受けられる。助成金額は定期接種ワクチン接種費用に相当する金額が設定されている。個別に通知された定期接種の予診票などと引き替えに事前申請し、接種後に償還払いを受ける仕組みとなっている。
富士市健康政策課の担当者との一問一答は次の通り。
市内の産婦人科医・議員・保健師が熱心に取り組み
いち早く9価ワクチンの費用一部助成を決めた理由を教えてください
富士市では、以前より産婦人科の医師や市議会議員の方々が女性の健康づくりに関する活動に熱心に取り組まれていました。また、市保健師が地区活動などにおいても子宮頸がん予防啓発に関する取組を進めてきました。
このような状況の中、自費にて9価HPVワクチン接種をされた方がいること、また接種を希望する方が少なからずいることを知り、HPVワクチン接種の積極的勧奨の再開にあわせ一部補助を行うことを決めました。
市外の接種も助成、定期接種化まで続ける
費用助成の対象期間は3年とされていますが、現時点のロードマップは
キャッチアップ接種対象者については、令和6年(2024年)度までとなりますが、定期接種対象者については、9価ワクチンの定期接種化が始まるまで助成する予定です。
今回の費用助成は、富士市市民であれば、市外・県外の接種でも償還払いが可能とのことです
行政措置ではなく、あくまで「任意接種の経済的負担の軽減」を目的としているため、接種場所の制限を設けることなく、市外・県外での接種でも償還払いは可能としています。なお、9価ワクチンの接種が可能な医療機関が限られている現状も考慮しました。
過去の既接種分も一部助成へ
既に9価ワクチンを接種している方もいるそうですが、定期接種対象年齢に該当する方の既接種分の償還払いは今回の費用助成の対象になるのでしょうか
定期接種およびキャッチアップ接種対象者のうち、既に自費で9価ワクチンを接種している方につきましても、全額ではありませんが規定額の払い戻しを行う予定です。現時点においてですが、今夏を目途に償還払いを開始する予定でいます。
9価ワクチンは現時点で任意接種の位置付けですが、接種データの集積などはどのように行っていく予定ですか
任意接種になるため詳細な接種データの把握は難しい状況ですが、補助申請時に母子健康手帳または接種済証の確認を行いますので、「いつ」「どこで」9価ワクチンを接種したか把握し、市で接種歴を管理していく予定です。
なお、9価ワクチンは現在、任意接種(全額自己負担)は可能。子宮頸がんの70%を占めるHPV-16/18は2価、4価ワクチンにも含まれている他、子宮頸がんは20歳代から罹患し得ることなどから、9価ワクチンの定期接種化を待たずに定期接種年齢(小学6年生〜高校1年生相当)で2価・4価ワクチンの接種を完了することが推奨されている(厚生労働省「9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について」)。
引用元:
静岡・富士市が9価HPVワクチンの費用助成、全国初(m3.com)