新潟大学から産科医の派遣を受けてお産を扱っている新潟県内の15病院のうちの4〜6病院が、2024年4月に始まる「医師の働き方改革」によって24時間対応に必要な医師数を確保できず、お産の継続が困難になることが23日までに、県の試算で分かった。県は今後、ハイリスクの母児にも対応できる高度周産期医療を担う施設を中心に、優先的に産科医を配置する病院を絞る方針だ。
医師の働き方改革では、勤務医一般の残業時間に「年960時間」(特例は年1860時間)の上限が設けられる見込み。24時間対応が必要な産科医は超過勤務になりがちで、県によると、県内産科勤務医の約半数が年1860時間を越える時間外労働をしている。
現在、県内のお産に対応する病院(診療所を除く)は19施設=図参照=。そのうち15施設が、新潟大の常勤産科医67人を中心とした派遣態勢で対応している。
県の試算では、働き方改革に取り組みながら24時間態勢でお産に対応するには1病院に最低5人、特に高度な医療を担う場合は9人の産科医が必要だと想定。現在の派遣態勢で回した場合、4〜6病院は5人を確保できず、お産の継続が難しくなることが判明した。
県は22日に県庁で開かれた「県周産期医療のあり方に関する協議会」(座長・榎本隆之新潟大大学院医歯学総合研究科教授)で、この試算結果を示した。
その上で、ハイリスクな母児に対応する周産期母子医療センター(県内8施設)と、低リスクなお産に対応する医療機関に優先的に医師を配置する方針を示した。この優先配置の病院を県内7医療圏域ごとに最低1つは確保するという。
こうした集約化により、特にお産の数が少ない過疎地域では遠方の病院で出産せざるを得ないケースも想定される。協議会に出席した県内自治体の担当者からは「住民への説明や検討のための時間がほしい」といった声が上がった。
県は、優先配置する病院について、自治体や各医療機関などと協議した上で23年3月の公表を目指す。県福祉保健部の松本晴樹部長は「安全にお産ができる態勢を維持するため、(集約化を)住民に理解してもらえるよう丁寧に説明していきたい」と話した。
引用元:
新潟県内4〜6病院がお産の継続困難か 県試算、医師の働き方改革で (新潟日報)