がんの予防やリスク低減への関心が高まる中、常滑市民病院は、卵巣がんにかかる可能性が高い人に対し、予防的な治療として、腹部に傷を残さない方法で卵巣と卵管の摘出手術を行った。腹部に小さな穴を開ける 腹腔ふくくう 鏡手術の一種で、従来よりもさらに心身への負担が軽減され、手術が受けやすいという。
手術は1月下旬、同病院婦人科の黒土 升蔵しょうぞう 統括部長(49)が担当し、県内在住の60歳代女性に対して行われた。女性は既に退院して、経過は順調だという。
採用した手術法は、口や鼻、肛門など体に元から開いている穴を使う新しい内視鏡手術( NOTESノーツ )。今回は、へそに開けた約5ミリの穴から超小型カメラなどを入れて腹部内を観察しながら、専用装具を産道から通して、両卵巣と卵管を摘出した。これまでの腹腔鏡手術では、へそ付近のほか3か所に穴を開けるが、ノーツではカメラなどを入れる1か所だけで、へそのしわに隠れて傷は目立たない。
黒土医師は2019年12月から、同手術法で卵巣腫瘍の摘出手術を行っており、20年4月から保険が乳がん発症後の予防手術に適用されたことを受けて、今回実施した。黒土医師によると、ノーツによる、この「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」の予防手術は国内初という。
卵巣がんにかかる可能性が高いHBOCは、女優アンジェリーナ・ジョリーさんが、予防のため乳房切除と卵巣卵管切除の手術を受け、話題となった。
黒土医師は「ノーツで心身への負担がとても軽減される。HBOCの可能性が高い人が、がんリスクを避ける方法として広まってほしい」と話している。
引用元:
卵巣がん予防 軽負担手術で 常滑市民病院 5ミリの穴 へそから (読売新聞オンライン)