白く写り 判別困難


 神戸市は、乳がん検診の受診者がマンモグラフィー(乳房エックス線撮影)で異常が見えにくい高濃度乳房と判明した場合、本人に通知する取り組みを始めた。高濃度乳房は病気と誤解される恐れがあることなどから、通知するかどうか自治体によって判断がわかれている。市は「自分の乳房の特徴を正しく知ってもらい、乳がんへの意識を高めてほしい」と説明している。(諏訪智史)

神戸市開始 「自分の特徴知って」


市は21日から、40歳以上を対象にした乳がん検診で高濃度乳房と判断された受診者への通知を開始した。「その人の体質であり、病気ではありません」などと、高濃度乳房について解説したパンフレットも作成し、通知文書に同封している。

 高濃度乳房はマンモグラフィーの画像では全体が白く写り、同様に白く見えるがんを見つけにくい。違いが判然としない場合でも、「異常なし」との検診結果が出るケースもある。自分の乳房が高濃度乳房と知らないまま検診を受け続け、がんの発見が遅れる人もいるという。

 県内の乳がん患者らでつくる「あけぼの兵庫」(神戸市)副代表の富久保尚美さん(60)(尼崎市)は「自分の乳房を理解した上で医師に相談できる方が、患者としては納得できるはずだ」と通知の必要性を訴える。

 だが、国は「自分が病気と誤解し、不必要な検査を受けるなどデメリットが危惧される」と、全員に一律通知することには時期尚早との立場。理由の一つが、高濃度乳房と判定されても、その後に推奨できる検査方法がないことだ。

 超音波検査は乳がんを発見しやすいとされるが、死亡率を低下させる効果が実際にあるのか明確ではない。関連学会も「通知は検査方法が明示できる体制が整った上で実施されることが望ましい」と慎重だ。

 賛否両論ある中、神戸市は専門医を交えて議論を重ねてきた。「本人に自分の乳房のタイプを知らせることで注意を払うようになり、乳がんの早期発見につながる」とメリットを重視。パンフレットや口頭での説明を通じ、丁寧な情報提供を行うことを前提に通知に踏み切った。

 県内ではほかに、尼崎市や姫路市、明石市が通知を行っている一方、西宮市や芦屋市、伊丹市などは実施していない。西宮市の担当者は「国が勧めていない以上、無責任に通知することは難しい」とする。

高濃度乳房  乳腺組織の密度が高く、マンモグラフィーの画像が白く写るタイプで、がんが見つかりにくい。国内では40歳以上の約4割が該当すると推計され、若い人ほど多いとされる。ダイエットなどで脂肪が減ることで、乳腺組織の割合が高まる場合もある。



引用元:
乳がん検診「高濃度」通知 (読売新聞オンライン)