妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新出生前診断について、日本医学会の運営委員会は18日、これまで35歳以上に限ってきた検査を35歳未満にも認める新たな指針を公表した。従来の認定施設の下に連携施設を設けるなどして検査を受けられる病院の数も拡大する。

3月から新指針での認定受け付けを開始し、春以降に運用が始まる見込み。

新出生前診断は簡便に実施できる一方、命の選別につながるとの指摘もある。運営委員会は適切な遺伝カウンセリングを通じて十分な情報提供を行い、検査を受けない選択肢も提示するなど丁寧に対応したいとしている。

日本医学会などは遺伝カウンセリングなどの体制が整った認定施設でのみ実施を認めてきた。

しかし、体制の整っていない無認定の民間クリニックが急増。十分な結果の説明がないまま妊婦が混乱する問題が起きたため、厚生労働省もオブザーバーとして参加し、新たな制度づくりを進めてきた。

新指針では検査の主な対象として胎児のダウン症などのリスクが上がる高齢の妊婦や、過去に染色体異常のある子どもを妊娠した経験がある人を挙げた。

ただ、遺伝カウンセリングを実施しても不安が解消されない場合は本人の意思が尊重されるべきであるとし、全年齢に認めた。実施前には年齢が下がるほど検査の的中率が低下することなど検査の限界を十分に説明するよう求めている。

専門医が常勤しているクリニックなどが新たに連携施設として認定を受ける。現在の認定施設は基幹施設と位置付けられ、連携施設と協力して妊婦の支援を担う。

また無認定施設に行かないよう、市町村で妊婦に母子健康手帳を交付する際、保健師などがチラシを用いて対面で検査について情報提供する。

認定施設が参加する団体によると、2021年9月時点で認定を受けているのは109施設あり、20年は約1万4千回の検査が行われた。認定を受けていない施設は美容外科など166施設に上るという。


引用元:
出生前診断、全妊婦可能に 日本医学会が新指針(日本経済新聞)