化学療法既治療のHER2陽性切除不能子宮癌肉腫に、抗HER2抗体-薬物複合体トラスツズマブ デグルステカン(T-Dxd)が高い効果を発揮することが明らかとなった。国内7施設で行われた単群2コホートフェーズ2試験であるSTATICE試験の結果、良好な抗腫瘍効果と忍容性が確認された。試験の結果を基に承認申請が準備されている。2月17日から19日まで京都市で開催されている日本臨床腫瘍学会で、兵庫県立がんセンターの松本光史氏が発表した。
子宮癌肉腫は希少な癌で、パクリタキセルとカルボプラチンの併用療法が標準療法だが、2次治療以降で十分な効果を発揮する薬剤がない。一方、子宮癌肉腫で免疫組織化学染色(IHC)によってHER2発現が確認されるのは5%から40%と報告されている。
研究グループは、IHCによる中央判定でHER2陽性が確認された化学療法既治療の切除不能子宮癌肉腫に対するT-Dxdの効果を評価する目的でSTATICE試験を実施した。試験は、HER2発現高(IHC 2+、IHC 3+)コホートとHER2発現低(IHC 1+)のコホートから構成されていた。患者には3週おきにT-Dxd 6.4mg/kgか5.4mg/kgが投与された。
患者のリクルートは、2018年2月から2020年6月までに行われ、HER2発現高コホート22人、HER2発現低コホート10人が登録された。主解析のデータカットオフは2020年12月8日だった。
試験の結果、HER2発現高コホートとHER2発現低コホートの両方で、ほとんどすべての患者に腫瘍縮小が認められた。HER2発現高コホートの中央判定による評価で1人が完全奏効(CR)、11人が部分奏効(PR)となり確定奏効率は54.5%(95%信頼区間:32.2-75.6)だった。HER2発現低コホートの中央判定による評価で、7人がPRとなり確定奏効率は70.0%(95%信頼区間:34.8-93.3)だった。T-Dxdの投与量は、6.4mg/kgと5.4mg/kgのどちらでも抗腫瘍効果が認められた。
32人全体の無増悪生存期間中央値は6.7カ月(95%信頼区間:5.4-8.8)、全生存期間中央値は15.8カ月(95%信頼区間:10.5-NR)だった。
投薬を受けた患者全員で副作用が発現し、重篤な副作用が約3分の1に起きたが治療関連死はなかった。間質性肺炎は9人(27.3%)に発現したがグレード3は1人だけ、T-Dxdの投与量が5.4mg/kgだった患者19人のうち4人(21.1%)で発現したがグレード3はなかった。
引用元:
化学療法既治療のHER2陽性切除不能子宮癌肉腫にT-Dxdが高い効果を示す、承認申請準備中【日本臨床腫瘍学会2022】(日経メディカル)