重い病気や障害のある新生児の治療方針を関係者が十分に話し合って決めるために、日本新生児成育医学会が2004年に作った指針の活用が広がっている。
 


 藤田医大チームの調査では、心臓疾患や、消化器、呼吸器などの重い合併症が起きる「18トリソミー」という染色体異常がある新生児を近年診療した医師の6割余りが指針を使用。積極的治療の増加につながっている可能性もあると分かった。
 指針は「重篤な疾患を持つ新生児の家族と医療スタッフの話し合いのガイドライン」。病名や重症度別に推奨される医療行為を並べるのではなく「子どもの最善の利益」を重視して両親と医療スタッフが話し合うための考え方を示している。
 内容は10項目で、新生児には適切な医療と保護を受ける権利があり、両親には治療方針を決める権利と義務があると提言。医療スタッフから両親に十分な情報を提供し、対等な立場で繰り返し話し合うよう求めた上で、生命を維持する治療の中止については「特に慎重に検討されなければならない」と強調した。
 チームが19年12月〜20年1月に実施したアンケートでは、過去2年間に18トリソミーの診療を経験した医師89人の63%が指針を使っていた。07年の同様の調査では29%、15年は40%だった。
 指針を活用した医師は、しなかった医師に比べ、心臓疾患や消化器の合併症に対する手術をした割合が多かった。18トリソミーは手術により生存率が高まるとの報告が世界的に増えている。
 同医大の遺伝カウンセラー佐藤優香さんは「医療側が指針に沿ってきちんと選択肢を示した上で両親の考えを聞くことで、積極的治療を選びやすくなっているのではないか」と推測する。

引用元:
話し合い指針の活用広がる 重い病気の新生児治療で(47NEWS)