2020年にがんと診断された人が前年より9・2%減ったとする調査結果を、日本対がん協会などが4日、発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で、がん検診の受診者が減ったことなどが影響したとみている。主な5種のがんで約4万5千人の診断が遅れたと推計され、今後は進行したがんが見つかるケースが増えて、患者の予後の悪化や死亡率の増加が懸念されている。

 調査は、日本対がん協会のほか、日本癌(がん)学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍(しゅよう)学会の3学会が共同で実施。がん診療の拠点病院など486施設を対象に、胃、肺、大腸、乳、子宮頸(けい)部の各がんの診断への影響を尋ね、105施設から回答を得た。

 その結果、20年のがん診断件数は8万660件で前年比9・2%減。会見した3学会のコロナ対策ワーキンググループ長、寺島毅・東京歯科大教授は例年のがん診断者数と今回の集計を踏まえ、「五つのがんで、全国で4万5千人ほどの診断が遅れていると推定してもいいのではないか」との見方を示した。

 緊急事態宣言が出るなどして、昨年4月以降はがん検診や各種健診が一時中止され、その後も受診や通院控えが続いた。日本対がん協会のまとめによると、20年のがん検診の受診者は、前年に比べて約3割減っていた。

 今回の調査では、早期で見つかるケースの減少が目立ち、胃がんの1期は17・4%減だった。日本対がん協会の垣添忠生会長は「がんは初期のうちは無症状であり、診断が減ったのは受診が減ったことの反映だ」と話した。(熊井洋美)

引用元:
がん検診減、遅れる発見 コロナ下、105病院で診断9.2%減(朝日新聞DIGITAL)