女性の活躍推進とともに、月経や不妊など女性特有の健康課題への関心が、ようやく高まりつつある。Beyond Healthでは、もう一つの重要な女性の健康課題として、若い女性がやせていることで起きる問題について幾度も報じてきた。「やせている女性は耐糖能異常になりやすく、肥満の人と比べてもそのリスクレベルは同様に高いこと」、「やせている妊婦が出産すると低出生体重児が生まれやすいことから、今春、日本産婦人科学会や厚生労働省が妊婦の体重増加の目安を見直したこと」、「そもそも、どうしてやせている女性を放置することが問題なのか」などだ。

 しかし、やせていることは自分の不調とどれだけ関係があるといわれても、また、いつか妊娠するときにどれだけ我が子の健康のリスクを高めるといわれても、いま、このとき、きれいでいたい、素敵でありたいと思っている当のやせ願望の強い女性たちにとって、もっと食べたほうがいい、もう少し太ったほうがいいというアドバイスはなかなか心に響かない。

 そもそも、やせていることがなぜ、次世代の生活習慣病を増やすことになるのかという説明自体が複雑であるため、簡単に理解を促せる話になりにくく、多くの人たちに知られないままに放置されているという背景もある。

 そこで、この問題を丸ごと知るための入門書として、『やせれば本当に幸せになれるの? シンデレラ体重が危ない』をまとめ、10月に発刊した。

 本書は、やせていることがいかに危険なのか、本人と次世代に何が起きるのか、どのような対策を打てばいいのかなどを、医療者や研究者など26人の専門家への取材と、調査や研究データを集め、一冊で若い女性たちの抱える「やせ」から始まる健康問題が分かるようにまとめた。

 健康経営の施策を考える人や、女性の健康指導をする栄養士や薬剤師、保健師などの専門職の人たちの理解を高める一冊として、また、社会課題の解消策をビジネスとして考えているビジネスパーソンにとっても、問題を整理するときに役立つはずだ。やせた女性を減らすための多様なソリューションの登場を期待したい。


引用元:
「月経トラブル」「不妊」に匹敵するもう一つの女性の健康課題(日経BP)