【大分】大分市牧のソフィアクリニック院長の井上幾雄さん(65)が、新生児と母親の姿を捉えた写真展を同市寿町の県立美術館で開いている。「ニューボーンフォト」と呼ばれ国内外で認知されつつあるが、産婦人科医自ら撮影するのは珍しいという。「新型コロナ禍で生まれた小さな命。その輝きや幸福感が伝わればうれしい」と話している。8日まで。入場無料。

 母に抱かれた生後1〜3日の赤ちゃんがつぶらな瞳で笑ったり泣いたり、あくびをしたり。無垢(むく)な姿に思わず顔がほころぶ。2019年から2年分の親子約400組のモノクロ写真(A2判)を展示。
 井上さんは「わが子を見つめるお母さんもみんな笑顔。大変な思いをしてやっと出会えたという喜びや安堵(あんど)感にあふれています」と作品を眺めてにっこり。

 12年に独学で写真を始めた。飼い猫や県内の風景を専門誌に投稿し、入賞歴も多数。16年から、取り上げた赤ちゃんを写し続けている。回診時、希望者を室内で1分ほど撮影。A4判にプリントし、データも添えて退院時にプレゼントする。「ここから新しい未来をつくっていってほしい。送り出すような気持ちでシャッターを押しています」。今後もライフワークとして撮り続けるという。

 会場には被写体となった親子の姿も。同市松原町の真常みどりさん(35)は「リラックスした表情で写してもらい、記念になった。子どもが大きくなったら見せたい」と話した。
 真玉海岸(豊後高田市)の風景33枚も展示。妻の玲子さんと次女のあさかさんがスペインで撮影した作品も並ぶ。

※この記事は、8月5日 大分合同新聞 12ページに掲載されています。

引用元:
コロナ禍で生まれた小さな命と母親の輝き 大分市の産婦人科医が写真展(大分合同新聞)