子宮頸(けい)がんの原因になるウイルスの感染を防ぐワクチンを接種する人が、群馬県内で増えている。ワクチンで予防できるとされる数少ないがん。国は昨年10月から、定期接種の対象者へ個別に情報提供するよう自治体に求めている。小児科医など専門家の間で、科学的な根拠に基づいて意義やリスクを説明する動きも広がる。

小6〜高1対象

 国が昨年10月に公表した冊子によると、ウイルスには多数の種類があり、子宮頸がんの原因についても分かっているという。ワクチンの「サーバリックス」と「ガーダシル」は定期接種の対象で、期間中は無料で受けられる。子宮頸がんの50〜70%を防ぐとされる。

 定期接種の対象者は小学6年〜高校1年の女性。いずれのワクチンも間隔を空けて計3回接種するため、現在高校1年の女性が無料で受けるには、今年9月までに1回目を打つ必要がある。

 新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種する場合、経過観察が必要なため、さらに時間的な余裕がいる。

 高崎市の中学3年の女子生徒(15)は、ガーダシルを3月と5月に打った。3回目は9月中旬以降に予定する。母親によると、女子生徒は1回目にわずかな腕のだるさを感じたが、他に特段の変化はなかったという。

 母親は、がんによって60歳手前で子宮を摘出した親族がいたこともあり、以前から子宮頸がんのワクチンに関心があった。女子生徒の友人やその周囲が打ったと聞き、子どもへの接種を決めた。

 「かかりつけ医から教えてもらうくらいしか情報がなかった。さらなる正確な情報提供が必要では」と話す。

 2月からは新たなワクチン「シルガード9」が国内発売された。こちらの接種は現段階では自己負担。いずれのワクチンも、20歳から2年に1度の検診を受けることで、より高い予防効果が期待できるという。

引用元:
HPVワクチン、広がる接種の動き 子宮頸がん50〜70%予防 (上毛新聞)