別府市内で産婦人科が減少する中、同市石垣西に婦人科専門の中山レディースクリニックが5月に開院した。近年の相次ぐ産婦人科医院の閉院で婦人科診療が受けられる施設が少なくなっていることを背景に、別府医療センターなどで経験を積んだ中山裕晶医師が地域医療に貢献しようと開いた。
 県東部保健所や市医師会などによると市内では2019年から20年にかけて3カ所の産婦人科が閉院し、市内で出産可能な医療機関は2カ所になっている。1次診療を受けられる婦人科も2カ所だったため、昨年11月から市医師会地域保健センターで週2回、臨時診療を始めた。
 中山医師は県立病院や別府医療センターなどで計15年間産婦人科医として勤務。出産や婦人科疾患の治療に関わってきた。相次ぐ閉院を知り、急きょ開院を決めたという。同市の出生数が年々減少していることや婦人科疾患の患者が受診しやすい環境を整える必要性から、婦人科の診療専門にした。

落ち着いた雰囲気の待合室

 子宮筋腫や子宮内膜症などの治療をはじめ、がん検診、更年期障害などのホルモン療法、不妊治療(排卵誘発など)にも取り組む。院内は落ち着いた雰囲気で、幅広い世代の女性が快適に過ごせるような空間にした。
 中山医師は「婦人科系の悩みがあっても妊婦さんが多い産婦人科を居心地悪く感じたり、受診できる医療機関が少ないため大分市まで通う患者さんも多いと聞く。他の医療機関と役割分担をしながら、身近な医療機関として貢献したい」と話している。
 診療時間は午前9時〜午後6時。土曜午後、水曜、日曜、祝日などは休診。問い合わせは同クリニック(TEL0977-73-8800)へ。

引用元:
別府市に婦人科専門クリニック開院 産婦人科の相次ぐ閉院で決意(大分合同新聞)