親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の開設から14年となる10日、運営する慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健院長らが会見を開いた。病院が受け入れを表明している「内密出産」について過去1年間に2件の相談があったことを明らかにした。

 内密出産は、予期しない妊娠をした母親が匿名で出産し、子どもは後に出自を知ることができるもの。相談があった2件はどちらも身元情報が明かされ、結果的には内密出産にはならなかったという。

 病院によると、女性2人から「秘密に出産したい」という相談があり、院内の保護室に受け入れた。女性は当初、内密出産を希望する理由について「母親が知ったら『自分で育てなさい』と言われてしまう」などと話していたが、後に虐待を受けていたことなどから、孤立していた背景が明らかになったという。

 蓮田院長は「内密出産の理由によっては社会から批判が出かねず当時は悩んだが、最近は腹をくくるしかないと思っている。自分たちが負うリスクをてんびんにかけるとそれが態度に出てしまい、彼女たちとの信頼関係を築けないので、覚悟を持たないといけない」と話した。

 また、自宅で死産したとみられる乳児を遺棄したとして女性が死体遺棄容疑で逮捕された事件を受けて、こうした罪に問われるおそれもある孤立出産を減らすため、九州の医療機関や行政機関に慈恵病院のパンフレットを送って紹介を依頼する考えを示した。(堀越理菜

引用元:
内密出産の相談2件 赤ちゃんポストの慈恵病院(朝日新聞)