厚生労働省は、小児・若年がん患者らが将来に子を持てる可能性を高めるために、卵子や精子などを凍結保存する費用の助成額を、卵子20万円、精子2万5000円、体外受精などの受精卵35万円とする方針を固めた。2回の施術まで助成する方向で検討する。厚労省が2月に設置する有識者会議で正式決定し、新年度の4月から制度化する。
 厚労省は2021年度予算案に関連経費11億円を計上。地方負担を含めた事業規模は20億円で、個別の助成額を検討していた。菅義偉首相は今月18日の施政方針演説で「若年者へのがん治療に伴う不妊への支援拡充」を表明した。
 助成額は実際の費用の半額を目安とした。精子や卵子の保存とは別に、卵巣組織の凍結保存への助成は40万円で調整する。主に初潮開始前で採卵ができない小児・思春期世代のがん患者や、がん治療開始までに時間的猶予がない患者が対象となる。精巣内の精子採取は35万円の方向。
 有識者会議では、対象年齢や医療機関の認定方法など制度の詳細を決める。妊娠に至る有効性などデータ蓄積も進める。将来の保険適用の可能性も探る。
◆がん治療、生殖機能低下の可能性も
 がん患者らが受ける抗がん剤や放射線などの治療は生殖機能を低下させる可能性がある。治療前に精子や卵子を凍結保存するための費用は、現在は全額自己負担。自治体で助成の動きが広がり、当事者団体などが国の支援を求めていた。
 がん治療のために卵子凍結をした経験を持つNPO法人「血液情報広場・つばさ」(東京)理事の後藤千英さんは「治療に多額の費用が長期間かかるため、あきらめた友人もいる。全国各地で助成が受けられることは大変心強い。希望を持って治療に取り組むことができる」と話した。(坂田奈央)

引用元:
若年がん患者の不妊を支援へ 4月から卵子凍結に20万円(東京新聞)