地域医療に長年貢献した人に贈られる「第49回医療功労賞」の受賞者が決まった。本県から県助産師会副会長の野地妙子さん(69)=二本松市=が選ばれた。

 野地さんは二本松市出身。福島医大病院や県立総合衛生学院などに勤務した。福島医大病院時代、助産師としての仕事のほか、低体重で出生した新生児と母親を支援する「Nくらぶ」の設立に関わった。現在は産科医療機関のない二本松市で地域助産師として母親の育児相談に乗る活動に携わっている。2014(平成26)〜19年に県助産師会長を務めた。

 医療功労賞は、困難な環境の下で地域住民の健康増進などのために働く医療従事者を表彰している。読売新聞社の主催、福島民友新聞社の共催、厚生労働省、日本テレビ放送網の後援、損保ジャパン、アインホールディングスの協賛。

 母子のため「笑顔と真心」

 「大きな賞をもらえて光栄」。第49回医療功労賞を本県から唯一受賞した県助産師会副会長の野地さんは受賞を喜び、県内の母子のために活動を続けていく決意を新たにした。

 子どものころ、二本松市で駄菓子屋を経営していた両親がよく人助けをしているのを見ていた。「自分も困った人を助ける仕事がしたい」。そう考えるようになり、医療従事者の道を志した。看護学校で学ぶうち、母親を助ける助産師の仕事に興味を持つようになったという。

 長く福島医大病院に勤務し、助産師として周産期医療の最先端で働いた。いったん現場を離れたが、2013(平成25)年に現場復帰し、二本松市の子育て世代包括支援センター「Mum」で母親の子育ての悩みに寄り添う活動を現在も続けている。

 Mumに寄せられる相談は、母乳のあげ方から父親との人間関係までさまざま。1回2時間の限られた時間で悩みを聞き出し、適切な機関を紹介したりしている。30年の助産師経験に加え、専門書での知識の更新も怠らず、きめ細かい支援を日々心掛けている。

 病院の現場を離れた後、復帰して相談業務に携わるようになったきっかけは、かつて教壇に立った県立総合衛生学院の教え子からの寄せ書きにあった「野地さんの笑顔に励まされた」との言葉。「自分の笑顔で母親や子どもに安心を届けたい」。野地さんはこの思いを胸に、今日も母子と向き合っている。


引用元:
医療功労賞に二本松の野地さん 助産師30年「安心届けたい」(福島民友)