「自粛生活で出生率が上がる」訳がなかった
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日本の少子化が加速している。
このまま推移すれば、2020年の出生者数は85万人を割り込み、83万人程度まで減少する可能性がある。さらに深刻なのは2021年以降で、予想を超えるスピードで少子化が進む可能性が高まっている。
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筆者は6月23日の「自粛生活『することがないから、出生率が上がる』説の大間違い」で、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などで「来年は子供が増えるのではないか」との歌手の和田アキ子氏の発言に警鐘を鳴らした。
これまでの出生数の推移(表1)を見ると、16年に年間の出生数が100万人を割り込み、その後も出生数の減少が加速している。
17年4月時点の国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計では、出生数が90万人を割り込むのは21年、86万人台となるのは23年と予測されていたが、19年には90万人を割り込むどころか、86万人台まで減少した。
20年に入ってからも出生数の減少に歯止めはかかっていない。表2は19年と20年の月別出生数だが、比較すると5月の出生数に大きな開きがあることがわかる。
20年7月までの出生数の累計は48万6009人で、19年並みの出生数になるためには、残り8〜12月の5カ月間で約7万6000人の出生数が必要となるが、1〜7月までのペースで行くと、19年の出生数は83万人程度にしか届かない見込みだ。
当たり前のことだが、少子化の流れが続いている以上、年々出産適齢期の女性数が減るのだから、出生率が上昇しない以上は出生数の増加は見込めない。それどころか16年に年間出生数が100万人を割り込んでからは、出生数の減少ペースが加速している。
しかし、もうお分かりだと思うが、20年の出生数の減少はなにも“新型コロナの影響によるものではない”のだ。
2021年の出生率はどうなる?
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妊娠から出産までにはおおよそ1年かかるわけだから、前述した20年の出生数減少はほとんど新型コロナの影響を受けていないことになる。
問題は、新型コロナ禍が今後の出生数にどれぐらいの影響を及ぼすかである。一般的に言って、結婚→妊娠→出産という行程を辿ると考えれば、コロナ禍の婚姻数が後の出生数に影響を与えると目論むことができる。
では、月別の婚姻数の推移(表3)を見て頂きたい。19年と20年の月別の婚姻数を比べたものだが、政府の非常事態宣言の影響で、5月の婚姻数は昨年の約3分の1に減少している。
おそらく、結婚式を延期したことで入籍も先延ばしにした影響が出ているのだと思われる。そこで、結婚式場の取り扱い件数(表4)を見ると、19年に比べて激減していることがわかる。4〜6月の取り扱いは前年同月比90%以上のマイナスで、8、9月は60%以上、10月も40%を超える減少となっている。
月別の婚姻数が7月までしか明らかになっていないが、結婚式場の取り扱い件数は10月まで判明しており、結婚式の取り扱い件数が婚姻数と連動すると考えれば、8月以降の婚姻数も大きく増加するとは思えない。
1〜7月累計の婚姻数は30万517で、19年並みまでになるのは残り30万近い婚姻が必要となるが、1〜7月のペースで行くと50万程度(19年は約60万)にとどまると思われる。
一概には言えないものの、婚姻数が減少すれば、妊娠する女性の数も減少し、出生数の減少に結び付くと考えられる。
来年は2035年予想値並みの出生率か
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表5は月別の妊娠届け出数の推移だが、5月以降、届け出数が大きく減少している。妊娠が判明するのには一定の期間があり、その後に届け出となるわけだから、5月以降の届け出の減少は新型コロナ禍で妊娠が減少したものと思われる。
1〜7月の累計届け出数は51万3850件で、前年の同期間(54万1656件)と比較すると3万件近い減少(5.1%減)となっている。19年並みの届け出数までは残り40万件以上の届け出が必要だが、もし5〜7月のペースで推移すると20年の妊娠届け出数は前年比で4%以上の減少となる。
20年の妊娠届け出数が21年の出生数に反映されるわけだから、21年の出生数は80万人を割り込み、一気に78万人程度まで減少する可能性がある。
17年4月時点の国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計では出生数が80万人を割り込むのは33年、78万人台まで減少するのは35年と予測されているから10年以上も早くなり、新型コロナによって急激な少子化が起こったこととなる。
表6をご覧頂きたい。年別の婚姻数と前年比だ。婚姻数と社会を揺るがす大きな出来事とは強い、相関関係があることがわかる。例えば、02年には婚姻数は前年比で5.3%も減少した。これは01年にITバブルが崩壊したことによる影響だ。09年はリーマンショックにより、11年は東日本大震災により婚姻数が減少している。
一方、19年の婚姻数の大幅な増加は令和元年をきっかけとした「令和元年婚」、12年の大幅増加は前年11年に発生した東日本大震災からの復興の中で、“絆”という言葉が強いメッセージ性を持ち、「絆婚」が増加した。
このように、特にITバブルやリーマンショックといった経済危機は雇用環境の悪化を通じて、個人の経済的不安につながり、“結婚を躊躇わせる”ことになる。新型コロナ禍もまた、個人の経済的不安から婚姻数の大幅な減少につながっていると思われる。
急激に少子化が進行する可能性に直面している現在、政府が少子化対策として早急に行うべきは、雇用の安定を図り、個人の経済的不安を取り除くことにほかならない。
結婚→妊娠→出産というプロセスの中で、新型コロナの影響により婚姻数が減少し、急激な少子化の進行につながるのではなく、東日本大震災後の“絆婚”のように、希望をもって、新たな時代を切り開く“新絆婚”が増加することを願いたい。
引用元:
予想より10年早い? 新型コロナで日本の「少子化」が急激に加速している衝撃の事実https://news.yahoo.co.jp/articles/cb9302bf637ba914356cc2da2db428fc94bd82a2?page=2(現代ビジネス)