異なる父親からの双子が生まれるという確率は、非常に稀なケースだが全くあり得ない話ではなく、ある研究では400組に1組が「父親が違う双子」というデータもあるようだ。
 生命の誕生はいずれにおいても神秘的であり、特に長期にわたって子供を授かることを望んでいたカップルにとっては、それぞれのDNAを受け継いだ双子の誕生は夢のような出来事だ。
 去年、イギリス在住の男性カップルがその夢を実現させた。カナダにいる代理母を介して匿名の卵子を使用し2人の精子と受精させたところ、それぞれの胚が着床、父親が異なる双子の赤ちゃんが無事に生まれたのだ。『Upworthy』などが伝えている。
・家族を望んでいた男性カップルが体外受精治療にチャレンジ
 2018年、イギリスのロンドン在住サイモンさんとグレアムさんは、2人の間に互いのDNAを持つ子供を持つことを強く望んでいた。
 しかし、イギリスでは異なる父親により受精した2つの胚を同時に着床させるという画期的な治療法は行われておらず、代理母をカナダに拡張して検索していたところ、12歳と5歳の息子の母であるメグ・ストーンさん(32歳)と出会った。
 当時、パートナーと別居したばかりだったメグさんは、誰かの助けになりたいと代理出産のサイトを見ていた時に、サイモンさんとグレアムさんのプロフィールを発見したという。
 メグさんからの協力を得られると知ったサイモンさんとグレアムさんは、まず匿名の卵子提供者を選び、その後LAの不妊治療クリニックに飛んで胚を受精する治療を行った。

胚の半分ずつに2人の精子を受精
 クリニックは、サイモンさんとグレアムさんの「可能なら2人で生物学上の父親になりたい」という願いを叶えるべく、胚の半分ずつをサイモンさんとグレアムさんの精子で受精させることに成功した。
 その後、2人は正式に結婚し、メグさんの住むカナダへ新婚旅行に行き、直接メグさんと初対面を果たした。

その後、受精し凍結された2つの胚は、半年後にメグさんの子宮へ入れられた。2週間後、メグさんから妊娠していることを告げられたサイモンさんとグレアムさんは大喜びしたが、更に嬉しい出来事が起こった。
 数週間後のスキャン検査で、メグさんは双子を妊娠していることがわかったのだ。2人のDNAを受け継いだ双子だと知り、サイモンさんとグレアムさんは天にも昇る気持ちになった

・36週目に無事双子の赤ちゃん誕生
 これまで、メグさんからはイギリスにいるサイモンさんとグレアムさんのために、FaceTimeで妊娠状況を知らせてもらっていたが、19週目のスキャン検査には2人はカナダへ飛び、メグさんのお腹に手を当てさせてもらい、双子の存在をしっかりと確認することができたそうだ。
 少しの触れ合いの中でも、2人はメグさんがとてもいい母親であることを知り、自分たちの生まれてくる子供が、最高の女性の手の中にあると喜びに包まれた。
 そして迎えた36週目。何週間も前から心配してカナダに駆け付けてきていたサイモンさんとグレアムさんは、それぞれ両脇でメグさんの手を握り、陣痛をサポート。
 やがて、女児が誕生し、数分後には男児が無事に生まれた。

後に女児はアレクサンドラ、男児はカルダーと名付けられた。カルダーはグレアム、アレクサンドラはサイモンの特徴をとてもよく受け継いでいるという。

このように喜びを語るサイモンさんとグレアムさん。かかった時間や費用は25000ポンド(約350万円)と決して容易な道のりではなかったが、それだけの価値はあったと言う。
 生まれた双子は、生後7週目にイギリスへ父親と共に戻り、以降すくすく元気に成長しているそうだ。
 1歳の誕生日には、メグさんがカナダからお祝いに駆け付けてくれた。「今や、サイモンとグレアムは私にとって兄弟のようなもの。また、科学の力に驚かされています」と語るメグさん。一方、サイモンさんとグレアムさんは、「私たちを父親にしてくれたメグには感謝の言葉もない。双子が成長したら、メグのことを話して聞かせたい」と話している。

引用元:
レアケース。父親の異なる双子が体外受精で誕生(イギリス)(BIGLOBEニュース)