米食品医薬品局(FDA)は6月29日、自宅での投与が可能な乳がん治療薬としてPhesgo〔一般名pertuzumab(ペルツズマブ), trastuzumab(トラスツズマブ), and hyaluronidase(ヒアルロニダーゼ)-zzxf〕を承認したことを発表した。

Phesgoは、固定用量のペルツズマブ(商品名パージェタ)とトラスツズマブ(商品名ハーセプチン)にヒアルロニダーゼを組み合わせた配合皮下注射製剤である。

今回の承認では、転移したHER2(ヒト上皮増殖因子受容体2)陽性乳がん、および早期HER2陽性乳がんの成人に対する投与が認められた。FDAは、投与対象となる患者は、FDA承認のコンパニオン診断テストに基づいて選択するべきであるとしている。

乳がん全体の約5分の1を占めるHER2陽性乳がんでは、がん細胞の増殖を促すHER2と呼ばれるタンパク質が過剰に発現している。

ペルツズマブとトラスツズマブはHER2に結合し、シグナル伝達を妨害してがん細胞の増殖を抑える。Phesgoは、最初は化学療法と組み合わせて使用し、化学療法レジメン終了後は、資格のある医療専門家が患者の自宅で投与を継続することができる。

FDA腫瘍学研究拠点(Oncology Center of Excellence;OCE)センター長でFDA医薬品評価研究センターのOffice of Oncologic Diseases取締役を務めるRichard Pazdur氏は「現在、ほとんどのHER2乳がん患者は、トラスツズマブとペルツズマブの静脈内投与を点滴センターで受けている。今回の承認により、両薬剤の投与を外来で受けるための新たな選択肢が患者にもたらされることになる」と述べている。

今回の承認は、HER2陽性の早期乳がん患者を対象とした非劣性試験の結果に基づいている。この試験では、Phesgoの有効性と安全性が、ペルツズマブおよびトラスツズマブの静脈内投与に非劣性であることが示された。

ただし、Phesgoは皮下投与されるため、薬剤投与に関連して生じる反応はペルツズマブおよびトラスツズマブよりも強かった。

Phesgoの添付文書には、心不全、胎児への害、肺毒性に関する枠囲み警告が付けられている。最も多い副作用は、脱毛、吐気、下痢、貧血、無気力である。また、化学療法誘発性好中球減少症を悪化させる可能性についても記されている。

Phesgoは胎児や新生児の発育に害を及ぼす可能性があることから、FDAは、妊娠中の女性または投与後7カ月以内に妊娠した女性では、同薬が胎児に害を及ぼす可能性があることを、生殖年齢の女性に通知するよう、医療専門家に助言している。

なお、Phesgoの承認は米Genentech社が獲得した。

引用元:
自宅で投与可能な乳がん治療薬を米FDAが承認(@DIME)