新型コロナウイルスの感染拡大で里帰りを断念した妊産婦を支援するため、東京都内の助産師の有志らが訪問型サポート事業「東京 里帰らない人応援プロジェクト」を始めた。母親学級が中止になったり、実家のサポートがなかったりする妊産婦も多く、事業を企画した助産師の高橋孝予さん(39)は「ぜひ地域の助産師を活用してほしい」と話している。

 緊急事態宣言以降、高橋さんが勤務する助産院に「里帰りができなくなったからここで産めないか」という問い合わせが相次いだ。他の助産院でも同様の問い合わせがあり、「コロナで妊婦が行き場に困っている」と思ったという。そこで、高橋さんは知人の助産師らとともに「不安を抱いている妊産婦と家族の力になりたい」と5月初旬にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS上にプロジェクトを開設し、約35人の助産師が名乗りを上げた。

 同プロジェクトでは、妊婦が希望すれば、妊婦の居住地に近い助産師を紹介してくれ、妊娠時から産後2カ月まで5回にわたり妊婦宅を訪問してくれる。5回にしたのは、助産院で宿泊型産後ケアに携わった経験から、親子の自立を見届けるまでに5日はかかると実感したからだ。訪問は1回2時間で、沐浴(もくよく)や授乳指導のほか、心理的サポートや育児全般のアドバイスなど多岐にわたる。父親指導も一緒にできる。

 これまでに7人が利用し(7月1日現在)、当初、不安と疲労で緊張していた母親や上の子の表情が、回を重ねるごとに和らぎ、気持ちに余裕が出てくるのが見て取れたという。

 料金は保険がきかず自費になるため5回で5万5000円かかる。助産師の出張訪問の相場よりも半値程度だが、利用者負担が1〜2割の自治体主催の産後ケア事業が1時間数千円程度であることと比べると、料金の高さがネックになるそうだ。とはいえ、プロジェクト運営メンバーの6人は手弁当で、訪問する助産師も感染対策などで負担が大きいという。

 現在は都などへ公的補助を求め、利用者負担の軽減を目指している。また、事業継続のための寄付も募っている。

 高橋さんは「東京で産み育てるすべての人が手軽に利用できる仕組みにしたい」と話している。申し込み、詳細はプロジェクトホームページ(https://myjosanshi.sakura.ne.jp/tokyo/)で。問い合わせ、寄付についてはメール(satogaeranai.jp@gmail.com)【賀川智子】

引用元:
東京の助産師らが「里帰らない人応援プロジェクト」 コロナで行き場に困った妊産婦を訪問(Yahoo!ニュース)