皆さんは毎年、健康診断を受けているでしょうか。会社員であれば1年に1回、健康診断を受診する機会が与えられていますが、そうでないと自分で健康診断の手配をする必要があります。

ところで、「日本女性は諸外国の女性と比べて、子宮頸がんの検診をしていない率が高い」というデータがあるのをご存知でしょうか。

がん検診にとどまらず、なぜ日本人女性の中には健康診断を受けない人が多いのか、その背景をひも解いてみましょう。

30代女性の約半数が健康診断を受けていない

厚生労働省が2016年に発表した「国民生活基礎調査」によると、日本女性の健康診断の受診率は全体で63.1%。この数字は男性の72.0%より約10%も低くなっています。

さらに、30代女性に絞ると、健康診断を受診している人の割合は56.2%(30代男性の同割合は74.9%)と、およそ半数しか受診していないことが分かっています。

男女ともに最も受診率が高かったのは「50〜59歳」で、男性で79.9%、女性で71.0%となっています。過去1年の間にがん検診を受診した人に関しては、男女ともに「肺がん検診」受診者の割合が最も高く、男性で51.0%、女性で41.7%となっています。

健康診断を受けない理由は「めんどう」「時間がとれない」
なぜ、女性たちの受診率が、これほどまでに低いのでしょうか。こちらは男女別のアンケートではありませんが、2019年に明治安田生命が行った「『健康』に関するアンケート調査において、「定期的に受診できていない理由」を聞いてみたところ、全体では「受診がめんどうであるため」が42.3%と最も多く、次いで「受診したいが仕事や家事で忙しく、時間がない」(31.1%)、「金銭的に支払うのが困難」(22.3%)となっています。

定期的に健康診断を受診できていない理由(複数回答)

(画像=明治安田生命「健康」に関するアンケート調査,2019年)
健康診断の中でも、がん検診に特化したデータではありますが、OECD加盟国30ヵ国の子宮がん検診(20〜69歳)の受診率を見てみましょう。欧米では受診率が約60〜80%の国が大半です。

例えば、アメリカは84.5%と8割以上、イギリスは78.1%と7割以上の人が、がん検診を受診しています。これに対し、日本は42.1%と半数以下しか受診していないことが分かっています。

また、5年に1度行われる「国勢調査」の最新データ(2015年)によると、男女の有配偶率は年代ごとに下記のようになっています。

国勢調査,2015年
(画像=国勢調査,2015年)
これまで日本では結婚すると女性が家事や育児の多くを負担する傾向があり、その分自由に使える時間を確保しづらくなることもあります。そのため、健康診断に行くための時間を捻出できない状況になることも考えられます。

特に、結婚していて子どもを持つ女性は、子どもの世話にかかる時間も長くなります。健康診断に行くためには、子どもを誰かに預かってもらったり、見てもらったりする必要があります。

「健康診断に行くために、わざわざベビーシッターに依頼して、その分の出費もかかるなんて……」とためらってしまう女性もいるでしょう。

そのため、健康診断に行くこと自体を「(今の自分の生活的に)ハードルが高い」と感じて、結果的に「1年くらい行かなくても平気だろう」「1回行かなかったくらい、大した問題はないだろう」と健康診断をスキップしてしまうケースも考えられます。

30代女性に健診を受けてほしい理由
とはいえ、自分の体調が悪化したり、健康が損なわれたりしては本末転倒です。自分の健康を保つのはもちろん、大切なパートナーや家族のためにも、1年に一度は健康診断に行く時間を確保したいものです。

30代は出産などのライフイベントがおきやすく、変化する環境に対応していくことが重要になります。1年に一度、健康状態とじっくり向き合うことで、病気の芽を早めに摘んだり、身体を悪くする前に何らかの対策を講じたりできるようになります。

また、PMS(月経前症候群)、子宮内膜症、女性ホルモンに起因するうつ症状など女性だからこその健康問題への対策も30代では重要です。更年期前でもあるため、自分の身体がどうなっているのかを知ることで、どう管理していくべきか、事前の対策を立てることもできるでしょう。

健診とは1年に一度、自身の身体の状態とじっくり向き合うための大切な機会です。1日であれば、夫に休暇を取得してもらい、家のことや子どもの面倒を見てもらうことも可能でしょう。夫が休めない場合は親にサポートをお願いするのも、1つの方法といえます。

まずは自分自身が健やかな心身で過ごすことが何よりも大切なことです。自身が健康であるからこそ、家族でお互いをサポートしあい生活できるのではないでしょうか。

家族内で協力し合い、健康診断を受けに行く時間をなんとか作ってみてはいかがでしょうか。

引用元:
30代女性にこそ健診を受けてほしい理由(ZUUonline)