新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の感染拡大により、2020年4月7日に政府から緊急事態宣言が発令されてから約2か月。学校はもとより、保育園や幼稚園も休園になるなど、働きながら小さな子どもを育てる親には試練の時となりました。
テレワークの導入により、家で働くスタイルに移行した方も多いかと思います。保育園は自治体によっては開いていたものの、親が在宅である以上、家庭保育が推奨されていたところがほとんどではないでしょうか。
ただ、仕事をしながらの育児ときたら、びっくりするほど集中できないもの。経験のある人なら誰でも、「育児しながら仕事なんて、できるわけがない!」と声を大にすることでしょう。
ですが今は、文字通りの緊急事態。そうも言っていられません。各家庭、工夫しながら育児と仕事の両立をはかっていたことと思います。
そこで、この2か月、特に仕事しながらの自宅保育が困難であろう未就学児を育てながらテレワークを行っていたママたちに、どのような工夫で乗り切ったのかを調査。今後の育児にも参考になりそうな意見がたくさん集まりましたので、ご紹介します。
おもちゃや動画、夫との協力…仕事時間を捻出するためのママたちのアイデア
テレビ・動画はマストアイテム!
親が仕事に集中するためには、子どもにも親の介入のいらない何かに集中していてもらう必要があります。やはり、一番多かったのは子どもにテレビ、タブレットでアニメや映画、動画を見せること。
「時間制限を設けるのは諦めて、自分が仕事をしている間は動画やアニメを見せてもよしとした」(5歳・小学生のママ)
「兄弟が一緒に長時間落ちついているのは、やっぱりAmazonプライムで仮面ライダーやスーパー戦隊の映画を見ているとき。見ながら寝ちゃって、起きるまで静かだったりします」(3歳・5歳のママ)
「YouTubeの動画は千差万別なのでちょっとこれは…と思うものもありますが、ジブリやディズニーの映画などはなんとなく親も罪悪感なく見せられてよかった。2歳は途中で飽きますが、5歳はわりと集中して見ていました」(2歳・5歳のママ)
動画は、必ずしも悪というわけではありません。感受性が育ったり、勉強になったり、遊びのヒントになるようなことも。ただ、時間制限なく見続けさせるのは、どうしても親が罪悪感を感じてしまうものですよね。
できるだけ親が「これなら見せてもいいかな」と思えるものを見てもらうのも、親のストレスにならないという点では大切なのかもしれません。
おうち時間を充実させる遊び
動画漬けになりすぎないよう、各家庭子どもが好きな遊びや知育などでおうち時間を過ごしてもらう工夫もありました。
「泡風呂で遊ばせながら、風呂場の扉を全開にして、監視しながらのPC作業は捗った。
お風呂で体力を奪いつつ、騒いでも気にならないし、泡で子どもは楽しく浴槽に入っていてくれるし、30分は邪魔されず余裕で仕事できた!
事故が怖いから監視は止められないけど、うちは子も親もWin-Winでした」(2歳・5歳のママ)
「粘土が意外に間が持ちました。折り紙だと、折り方がわからないときに『やって!』と言われますが、年長さんぐらいなら、粘土は好きに作って2時間ぐらい没頭してくれます。紙粘土、こむぎこ粘土といろいろ取り揃えました」(5歳・小学生のママ)
「簡易テントを購入したら子どもが1日中テントで暮らしていたので、意外と仕事ができた。中で姉妹揃っておやつを食べたり、工作や折り紙、お絵かきをしたり、ごっこ遊びをしたりして楽しんでいたよう」(3歳・小学生のママ)
「少しでも家の時間を埋めようと、スマイルゼミを始めた。30分は確実に埋まる! あとはレゴを購入しました」(3歳・5歳のママ)
○○のおかげで乗り切った!
一緒に遊べるきょうだいの存在
また、きょうだい児がいると、「一緒に遊んでくれて助かる!」という声も。上の子が小学生だったり、面倒見が良かったり、同性同士だったりするとなお、よく遊んでくれるようです。
「小学生のお兄ちゃんがいるので、一緒に遊んでもらえて助かりました。ゲームをしたり、工作で謎のダンボールの山を作ったり、お絵かきしたり…あとは『修行』と称していつも暴れてますね。一緒になって戦っています(笑)」(5歳・小学生のママ)
会社にもできる範囲で理解を促す
そもそも会社側に、日中子どもがいて仕事に支障をきたす可能性が高いという事情をわかってもらえているかどうかも大切です。
「テレビ会議の時、一番初めに子どもに挨拶させていました。本当はあまりよくないのかもしれませんが、顔が見えているほうが印象がいいかなと」(2歳・5歳のママ)
「会社には事情を話し、理解しておいてもらった。ただ、最初は少し仕事量を見直してもらえたけど、だんだん増えいてった(苦笑)」(3歳・5歳のママ)
ふだんの周囲とのコミュニケーションや、会社の風土などによっても理解度は変わってきそうですが、できるだけ会社に事情を把握していてもらうと、こちらの安心感も違いますよね。
夫もテレワークの場合は協力体制が欠かせない
夫婦揃ってテレワークになった家庭においては、ふたりで共同戦線を張って乗り切っていたようです。
「夫もテレワークだったので、集中したい会議の時間などはシフトを組んで子守担当」(3歳・小学生のママ)
「夫は朝9時からのテレワークだったので、こちらが始業する朝の8時から1時間は子どもは夫に任せて仕事に没頭しました」(3歳・5歳のママ)
また、夫がテレワークでなくとも、こちらの仕事内容次第では協力を仰ぐことも。
「テレビ会議などはずせない仕事のときは、夫に休みがとれるよう調整してもらっていました」(0歳・小学生のママ)
仕事時間や仕事のやり方を工夫
朝や夜などの子どもが寝ている時間に仕事時間を作ったり、仕事のやり方そのものを工夫して乗り切るアイデアも。
「PC作業だと場所が固定されるので、できるだけスマホで作業」(3歳・小学生のママ)
「5歳の息子は活発なので、外遊び、散歩など毎日2〜3時間コース!
子どもと1日中過ごすと夜にはもうヘトヘトなので、夜はきっぱり諦めて子どもと9時半には就寝し、しばらくは朝4〜5時に起きて仕事していました。夜に眠いのに効率悪くやるより、メリハリがついてよかったです。
ただ、そうなると夜のひとり時間がないからストレスは溜まります…」(5歳・小学生のママ)
「0歳娘がグズった時には膝に乗せたり、もうダメだっていうレベルになったら抱っこ紐でおんぶして、スタンディングスタイルでPCに向かったり。あとは昼間できなかった分を夜に必死にやっています」(0歳・小学生のママ)
もはや仕事と育児は両立できない前提で、たまった有休を消化して育児に専念し、夫が休みの日にだけ集中して働く、というスタイルをとっていたママも。
みなさん、さまざまな工夫、アイデアで、家庭保育と仕事を両立させていたことが伺えました。
仕事と育児の両立で感じたストレスは?
子どもと「密」に過ごした約2か月…ママたちが感じたストレスは?
必死で育児と仕事を両立していたママたちにとって、テレワーク中の2か月で結果的に良かったなと思うこと、悪かったなと思うことは、どんなことでしょうか?
まずは、悪かったことから。
仕事に集中できない、自分だけの時間がなかなかとれない
「親のストレスが半端ない。四六時中子どもと一緒にいるのって本当に大変なんだなと思いました」(5歳・小学生のママ)
「出社しない&子どもが常に家にいるので自分時間が極端に減った」(2歳・5歳のママ)
「兄弟ゲンカが増えた。ケンカの仲裁ばかりで疲れた(笑)」(3歳・5歳のママ)
「仕事中、PCをいじろうとしたり、テレビ会議中にうるさくされたらとにかく怒っていました…」(3歳・5歳のママ)
やはり一番多かったのは、常に子どもがそばにいて、仕事に集中できないのはもちろん、自分が好きなことをする時間もとりにくくなってしまったことのストレス。通勤時間に大人ひとりでボーッとしたり、会社で同僚と話したりするのも貴重な息抜きになっていたのかもしれません。
先の見えない不安、うまく両立できないジレンマとの戦い
「毎日毎日、今日は何するの?と言われ、こっちが教えてほしい気持ちだった。自粛中盤は先の見えない状況や、世の中の不安定な様子から自分自身の気持ちも不安定になりがちで、母親の不安な様子は子どもに見せるべきでなかったなと思う」(3歳・5歳のママ)
「子どももちゃんと見ていられるわけでもなく、仕事も思うように進むわけでもなく、仕事と育児の両面でストレスが溜まりまくったこと。あと今まで以上に、自分のご機嫌を自分で取ることの大切さを、身をもって知りました」(0歳・小学生のママ)
「余裕がなくなると子どもに冷たく当たってしまい、そのたびに自己嫌悪に…」(3歳のママ)
いつまで続くのかわからない自粛生活のなか、不安になり、余裕がなくなっていくのを感じていたママも多かったようです。
保育園・幼稚園がないことで起きた苦労
「やはり給食は偉大。幼稚園生・小学生・テレワーク中の夫、全員分の昼食を用意しなければいけなかったので大変でした」(5歳・小学生のママ)
「子どもの生活ペースの乱れが気になった」(2歳・5歳のママ)
「外遊びが足りず運動量が少ないせいなのか、朝異様に早起きだし、全体的に睡眠時間が少なくなって心配になった」(2歳・5歳のママ)
栄養満点の給食、適度に外遊び・適度に知育を織り交ぜて生活の基盤を作ってくれる保育園・幼稚園がなくなったことで、生活リズムが乱れてしまったご家庭も少なくないようです。
生活の乱れは成長の阻害にもつながり、親として不安になるのも無理はありません。
その他
「暇つぶしアイテムを買うためにお金をかなり使った気がします」(5歳・小学生のママ)
「近所のお友達が家の前で遊んでいても、ソーシャルディスタンスを考えると出るに出られず、子どももかわいそうだった」(3歳のママ)
遠出をしない分、外遊びにかけるお金は減った印象ですが、その代わりにおうち遊び用のおもちゃにかける出費は各家庭で増えていたかもしれませんね。
また、公園にも出かけない家庭がある一方で、公園まではOK、散歩だけはOK、近隣の友人と遊ぶのはOKなど、各家庭によってOKラインはさまざま。
「三密」を避けるためにはもちろん、家にずっとこもっているのが正解ですが、家でじっとしていられないのが子ども。また、親としても「少しくらい陽の光に当たらないと健康的にどうなのか?」という不安もあり、外遊びは良しとしていたというご家庭も多かったのでは。
明確な決まりがないだけに、みなさん頭を悩ませていたようです。
子どもと密に過ごしてよかったこと
こんなに子どもと過ごせることはそうそうない?ママたちが感じた「良かったこと」
子どもと過ごした2か月で良かったことを挙げてもらうと、やはり多かったのはこちらの意見。
「子どもの成長を逐一感じられること!」
特に保育園ママは0歳や1歳から子どもを保育園に預けているケースも多いため、こんなにずっと一緒にいて成長を間近で見られることはそうそうないですよね。
「次男は1歳から保育園でほとんど保育園に任せっきりの状態だったけど、自粛期間中にトイレトレーニング、食事管理などをして成長を間近で見られてうれしかった」(3歳・5歳のママ)
「一緒に同じコンテンツ(ネトフリのアニメとか)を楽しむことで、会話のバリエーションが広がった。あと、これまでやったことがない粘土を始めたら私が楽しかった」(3歳のママ)
「子どもはずっと家にいられて毎日とても楽しそうでした。息子は少しずつ保育園に復活したのですが、行きたくないとグズります。お昼寝が嫌だそう。
自分の好きなタイムスケジュールで動けるのはいいみたいですね」(5歳・小学生のママ)
ちなみに筆者の家庭では、言葉の成長がめざましい2歳児がいるため、どんどん言葉が増えていく様子を間近で見られたことはとても貴重でした。いつもなら園の連絡帳で知るようなことを、自分で実際に見て、感じられたのはうれしいですよね。
そして中には、こんな意見も…。
「0歳から子どもを保育園に預けていた身としては、こんなに長く子どもを見たのは初めてだと思う。ありがたく思わなきゃと思ったりもするけど、だいたい3時間もすればありがたみも消える(笑)。もう勘弁してくれよ〜と」(2歳・5歳のママ)
共感できる方も多いのでは? うれしい、楽しいばかりではない、育児の大変さもひしひしと感じられます。
毎日が土日のような生活でさまざまな体験ができた子どもたち
「5歳長男が自転車の補助輪卒業!」(2歳・5歳のママ)
「公園から帰ってきて、シャワーを浴びるときに、子どもだけで浴びさせたり、いつもより子に任せる場面が増えた」(3歳・5歳のママ)
「逆上がりや自転車などに挑戦できたし、時間がないとなかなかできない料理にも取り組んで腕を上げた」(3歳・小学生のママ)
長い自粛生活で、さまざまなことに挑戦している子どもたち。目に見える形での成長もたくさん見られたようです。我が家でも、魚が大好きな5歳長男が、夫のサポートのもと丸ごとの魚をさばく腕を上達させ、これも自粛生活のたまものかなと感じています。
集団生活を送っていないがゆえのメリット
「風邪をひかずに健康だった(笑)。いつも何かしらもらってきたり、鼻水垂れてたりするのに」(3歳・5歳のママ)
「保育園の送り迎えで感じる時間的なプレッシャーがない」(2歳・5歳のママ)
「翌日の朝起こす時間の心配がないので、夜多少寝るのが遅くなっても気がラクだった」(3歳・5歳のママ)
保育園・幼稚園に通わせていると避けて通れないのが、「病気をもらってくること」。新型コロナウイルスにかからないための登園自粛で、いつもならかかっていてもおかしくない、風邪やインフルエンザはもちろん、軽い鼻水すらもなかったという子どもも。
また、自粛により登園や園バスの時間を気にしなくていいタイムスケジュールでのびのび過ごせたという一面もあるようです。
夫がテレワークで思わぬ家族団らんも
「夫もテレワークだったから、結果としてワンオペでなくなり、いつもよりむしろラクだった」(3歳・5歳のママ)
「家族でトランプなどのゲームがたくさんできた」(2歳・5歳のママ)
「今までは平日家にいなかった夫もテレワークになったので、家族団欒できた」(3歳・小学生のママ)
夫もテレワークになった家庭では、いつもなら土日などの休みにしか得られない家族団らんが毎日のように実現したようです。ふだんワンオペのママは、逆にラクになってありがたい、とすら思ったのでは。
両親揃っていても休日のように完全に子どもの相手ができるわけではありませんが、それでも子どもは両親と毎日ずっと一緒にいられてうれしかったのではないでしょうか?
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5月25日には緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻ってきています。まだまだ油断はできない状況で自粛生活も続きますが、会社への出勤や、子どもの登園は徐々に開始したご家庭も多いのではないでしょうか。
今回の自粛生活による仕事と育児の両立は、仕事の柔軟性、夫の在不在、協力体制、子どもの年齢や性質などによっても、余裕のあるなしの度合いは変わってくるでしょう。
今回、感じたメリットやデメリットを今後の生活にも活かし、「日常」のありがたみを感じながら育児と仕事を両立させていけたらいいですね。
引用元:
「テレワーク中の育児」どう両立してた?未就学児ママに聞いてみた(ニコニコニュース)