2019年の人口動態統計で、死亡数から出生数を引いた人口の自然減が初めて50万人を突破した。人口減が続く中で、いかに社会の活力を維持していくのか、次の世代に希望を持てる未来を残せるのか。私たちは重い課題を突き付けられている。


厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2019年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年より5万3166人少ない86万5234人だった。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は、前年より0.06少ない1.36となった。

日本の人口動態
2019年(概数) 2018年(確定) 2017年(確定)
出生数(人) 86万5234 91万8400 94万6065
合計特殊出生率 1.36 1.42 1.43
死亡数(人) 138万1098 136万2470 134万0397
自然増減(人) ▲51万5864 ▲44万4070 ▲39万4332
婚姻数(件) 59万8965 58万6481 60万6866
離婚数(件) 20万8489 20万8333 21万2262
厚生労働省の人口動態統計をもとに編集部作成



高齢化が進んでいるため、年間の死亡数は138万1098人と、戦後最多となった。自然減はこれまで最大の51万5864人となり、人口減少のペースが加速している。



日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム(1947〜49年)には250万人、第2次ベビーブーム(71〜74年)には200万人を超えていたが、その後は一貫して減り続け、2007年には死亡数が出生数を上回った。第2次ベビーブーム世代も40歳代半ばとなり、出産適齢期から外れつつあるため出生数の下降傾向は今後も続くとみられている。

婚姻数は改元にあやかった「令和婚」が増えたためか、前年より1万2484組増えて59万8965組となった。婚姻数の増加は7年ぶり。

引用元:
赤ちゃん最少の86万人 : 自然減51万人超に―19年人口動態統計(nippon.com)