赤ちゃんは生まれてすぐから、室内事故に遭う危険性があります。赤ちゃん・子どもの事故の予防に長年にわたり取り組み、NPO法人Safe Kids Japan理事長である小児科医の山中龍宏先生に、「たまひよONLINE」が赤ちゃん、とくに0〜4カ月の赤ちゃんに起こりやすい事故と予防法について聞きました。




要注意の室内事故は「窒息」「おぼれ」「転落」の3つ
「低月齢の赤ちゃんは1日の大半を寝て過ごしているため、多くの事故は寝室で起きています。「まだ動けないから大丈夫」と油断していると、思わぬ事故を招くことがあるのが低月齢の赤ちゃんです。生後すぐから、「窒息」「おぼ「」「転落」をはじめとする室内事故の危険が多く潜んでいます。赤ちゃんがいる場所に危険がないか、赤ちゃんの目線でチェックすることが重要です」。(山中先生)



【窒息】掛け布団、ベッド上の衣類やぬいぐるみなどで窒息
0〜4カ月によく起こる室内事故の一つが窒息です。起きやすいのが、

■ベッドの中にあるぬいぐるみやタオル、よだれかけなどが顔にかかって窒息
■うつぶせ寝や寝返りで顔がやわらかい寝具に埋もれる
■ベッドと壁のすき間などに挟まれる

などの事故です。

「このころの赤ちゃんはちょっとした落下物もまだ手ではらいのけられません。また、寝返りができない、または上手にできない時期でもあります。寝ている赤ちゃんの周囲にはとくに注意しましょう」(山中先生)。

【予防ポイント】
□大人用でベッドなくできるだけベビーベッドに寝かせる
□マットレスや敷布団はかためを選ぶ
□枕元にぬいぐるみ、衣類、タオルなどを置かない



【溺水】入浴時に大人が目を離しておぼれる
0〜4カ月ごろよく起きる溺水事故は、

■入浴時に大人が目を離しておぼれる
■首輪型浮輪使用中のおぼれ

という事例です。
「2才ごろまでは、入浴中は子どもから目を離さないことが大切です。首輪型浮輪は赤ちゃんを待たせておくためのものではありません。大人の見守りのもと、正しく使用しましょう」(山中先生)。

【予防ポイント】
□洗い場で目を離さない
□浴室に子どもだけを入れない
□洗髪中は子どもを浴槽に入れない
□首輪型浮輪は水遊び用として使い、入浴時には使用しない


【転落】ベッドやソファからの転落
「まだ動かないから、と油断して大人用ベッドに寝かせたり、ベビーベッドの柵を下げたまま寝かせたりしていると思わぬ事故につながることがあります。
大人が添い寝している間に寝返りしたり、動き回ったりして転落し、頭部などにけがを負うことも。できるだけベビーベッドに寝かせますが、危険とは無縁の安全地帯ではありません。ベビーベッドの柵は必ず上げてから寝かせましょう」(山中先生)。

【予防ポイント】
□できるだけ大人用ベッドではなくベビーベッドに寝かせる
□ベビーベッドの柵は常に上げておく

お話・監修/山中龍宏先生 取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部

赤ちゃんが0〜4カ月のころは、ママ・パパもまだお世話に慣れていないころ。ゆとりがない時期ではありますが、おうちで過ごす時間が多い生活はまだまだ続きそうです。もう一度、お部屋の危険度チェックをしてみてはいかがでしょうか。

監修/山中龍宏先生
(緑園こどもクリニック 院長)
Profile
1974年東京大学医学部卒業。同小児科講師、焼津市立総合病院小児科科長、こどもの城小児保健部長を経て99年から現職。NPO法人Safe Kids Japan理事長など。

参考/Safe Kids Japanホームページ、『事故防止ハンドブック』(消費者庁)


たまひよ ONLINE編集部


引用元:
【おうち時間急増】0〜4カ月に 起こりやすい、3つの室内事故とは?(Yahoo!ニュース))