今年2月、不妊原因の仕組みを解明した熊本大学が、今度は男性の不妊原因の解明につながる画期的な研究成果を発表した。

熊本大学発生医学研究所・石黒啓一郎准教授
「精子の形成に必要な減数分裂組み換えにかかわる新規の遺伝子を発見した。不妊症の原因の解明にさらに貢献することが期待される」

ヒトの生殖に必要な卵子や精子は細胞分裂が「減数分裂」という特殊な分裂に切り替わることで作り出される。
石黒准教授のグループは今年2月この仕組みの解明に成功し分裂のきっかけを作る遺伝子「マイオーシン」を世界で初めて見つけた。

今回はマイオーシンが活性化させる400程の遺伝子の中から正体不明だった遺伝子「C19ORF57」を見つけ、この遺伝子が乳がんの抑制遺伝子「BRCA2」と結合することで精子の形成に重要な役割を果たしていることが分かった。

これは精子の形成ができなくなる「無精子症」の解明につながるとグループでは期待を寄せている。

石黒啓一郎准教授
「着実に研究していってそれぞれの遺伝子の機能を解明することによって将来的には不妊の病態解明を総合的につながっていくのではないかと考えている」

実際の治療に結びつくには10年以上の研究が必要だということだが今回の成果もスウェーデンと共に世界初の発見となった。

引用元:
世界初!男性の不妊原因を解明(くまもと県民テレビ)