新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、出産を控えた女性からは不安の声が上がっています。中には出産を予定していた病院が受け入れできなくなり、別の場所を探すケースも出ています。

東京 台東区に住む鈴木七生子さん(25)は、今月末初めての子どもを出産する予定です。鈴木さんは自宅に近い東京 台東区の永寿総合病院で出産することを決め、定期的な検診にも通っていましたが、出産予定日のおよそ1か月前の先月末になって病院から「受け入れができなくなった」と伝えられたということです。

永寿総合病院はおよそ400床ある台東区で最大の病院ですが、入院患者が相次いで新型コロナウイルスに感染し外来診療を取りやめる事態になりました。

代わりの病院を紹介してもらいましたが、片道1時間ほどかかる場所だったため、自分で探すしかなかったといいます。

ようやく近くの助産院で産むことを決めましたが、当初と予定が変わり慣れない環境になることに不安を感じています。


鈴木さんは「まさかこんなことになるとは思いませんでした。国や自治体は安心して子どもを産める環境を整えてほしいです」と話しています。

台東区などによりますと、永寿総合病院で出産を予定していた人は相当数いたということですが、全員が別の病院への変更を余儀なくされたということです。


ネットにさまざまな不安の声
妊娠や子育てに関する情報を発信しているインターネットのサイトには、出産前の女性からさまざまな不安の声が寄せられています。

この中では「仕事の都合でテレワークができず、会社に通勤しなければならないが、感染しないか怖い」とか「健診のために病院に行くのもためらいがちになり、不安で眠れない」などといった書き込みが相次いでいます。

またサイトの運営会社には感染防止のため夫などの出産の立ち会いができなくなることへの不安や、妊娠中に感染した場合どうすればいいか分からないといった切実な声が寄せられているということです。

サイトの運営会社「ベビカム」の山田妙子さんは「新型コロナウイルスに関して、妊娠している女性へのケアが、まだ十分ではないと感じています。不安を少しでも理解してくれる人がいるだけで心が軽くなるので、優しい気持ちで接してあげてほしいです」と話していました。

引用元:
「安心して産める環境を」 出産控え不安の声 新型コロナ影響(NHK NEWS WEB)