妊娠中に結核に罹患すると、低出生体重児や早産のリスクが上昇することが分かっています1)。しかし、妊娠や出産そのものが結核罹患のリスク因子かどうかについては、結論がいまだ出ていません。

 米国ニューヨークでは、妊婦の結核罹患率は10万人当たり18〜29人と一般の罹患率(19〜39人)と変わらないという報告があります2)。一方で、妊娠維持には、脱落膜(子宮内膜組織の一部で、妊娠終了時に子宮壁から剥がれ落ちる部分)のTh1免疫系が抑制されることが関わっているため、妊娠中は結核に感染・発病しやすい素地があるという見解もあります。さて、真実はいかに。

引用元:
周産期は結核のリスクが高い(日経メディカル)