磐田市立総合病院(磐田市大久保)に併設する周産期母子医療センターが開設十周年を迎えた。危険度の高い妊婦や新生児に産科、小児科、麻酔科の医師や看護師が素早く対応する。地域医療を支える医師らは「生まれてくる赤ちゃんとどう向き合うか、産後の母親をどうケアするかを考えながら、高度な医療を提供し続けたい」と話す。

 センターは二〇一〇年三月、県の要請や中東遠地区の需要から開設された。延べ五千五百平方メートルで、新生児集中治療室(NICU)を持つ。センター設立前の病院は産婦人科と小児科の混合病棟だったが、センターでは両科が分かれた態勢になり小児科医、産科医、看護師ともほぼ倍増した。

 保育器を置けるスペースを拡大し、新生児用の人工呼吸器も一台から四台に増えた。小児科医の白井真美副センター長(44)は「三十七週未満の早産の場合に約五割で出現する肺が成長しきれない病気の赤ちゃんにも、過不足なく対応できるようになった」と話す。

 この十年間、センターで生まれた新生児は八千八百六十三人。晩婚化や未婚者の増加で分娩(ぶんべん)数は減った一方、妊婦健診を受診しない女性や十代の妊娠、高齢出産は増加傾向にある。帝王切開の割合も上がり続けている。

 リスクの高い出産に備え年一回、小児科、産科、麻酔科、看護師ら総勢約五十人で訓練も実施。産婦人科医の徳永直樹センター長(57)は「かつては一時間ほど必要だった超緊急帝王切開の準備が、今では二十分になった」と胸を張る。

 センターでは妊婦健診とNICUのスタッフは同じで「切れ目のない援助ができ、妊婦に安心感を持ってもらっている」と看護師長の瀬川明子さん(44)。「突然の出産や産後うつなど不安を抱える妊婦は多い。不安解消のための臨床心理士の介入、出産後のケアも充実させていく」と抱負を話した。

(宮沢輝明)

引用元:
磐田の周産期母子医療センターが開設10周年(中日新聞)