子どもを一時預かりに預けて、喫茶店でゆっくりコーヒーを飲んだり、ウィンドショッピングしたり…。自分のために時間を使うことで、ストレスが発散できたらそれはよい方法でラッキーなことだと思います。

ところが、せっかく一人の時間を持てたのに「私がこうしているときに、子どもはどんな思いで私の帰りを待っているんだろう…」と考えてしまい、罪悪感に苛まれたり、自分を責めたりして、却って気分が落ち込むことがあります。

「預けて出かけるんじゃなかった」と後悔することもあります。

『1人でできる子が育つ 「テキトー母さん」 のすすめ』の著者の立石美津子が「気持ちを軽くする方法」をお話します。

子育てしていると、心に“子ども”というフィルターがいつもある

母と子どもは一心同体。我が子が元気がなかったら「どこか具合が悪いのではないか」「苛めにあっているんじゃないか」と心がザワザワして不安になってきます。

また、よその子に比べて発達が遅れていると、「このまま大きくなったら一体どうなっちゃうんだろう…」と将来が心配になり、景色を見ても感動せず、何を口にしても美味しいと感じることができず“心ここにあらず”の状態になってしまいます。

恋愛がうまく行っているとき、何を見てもバラ色に見えて、反対に失恋したとき凹む状態と似ているのかもしれません。

子育てしていると心に“子ども”というフィルターがいつもあって、そのフィルターを通して親の心の状態が決まってくるように思います。

子どもを預けて罪悪感を感じている?

一日中、母と子どもと部屋で過ごし孤育て(=孤独な子育て)に陥っているとき、特に仕事とか特別の用事かあるなど預ける理由がなく“自分のリフレッシュのため”、保育の一時預かりやベビーシッターに頼んだとしましょう。

気分が解放され帰宅後、笑顔のママに変わって向き合えるのならば、それはそれでよいのですが…

中にはショッピングに出かけても1人で店内を見て回りながら考えることは、子どものことばかり。

喫茶店でコーヒーとケーキを食べていても「私が美味しいものを食べているのに人に預けられて泣いていないかな。可哀想なことをしたな」と罪悪感に苛まれるのならば気分転換になっておらず、かえって預けなかった方がよかったのかもしれません。

ストレスの原因が子どもそのものであれば、子どもと離れる時間を設ける必要がありますが、それほどでもない場合は母子で参加できる育児サークルで同じ年齢の子どもを持つママと交わった方が気分は上向きになったりします。

ストレス発散で一番いいのは…

吐き出すことによるストレス発散が必要!同じ悩みを共有できる仲間を持とう

先輩ママに相談して解決するのならばいいのですが、相談しても、こんな風に言われてしまうことがあります。

「子どもなんてそんなものよ。そのうち落ち着くから大丈夫よ」

「うちの子はもう小学校高学年になって私のことうるさがって近寄ってくれないのよ。甘えてくれる幼児期が華なのよ」

「ママなんだから、頑張って」

でも、それで一瞬ほっとはするかもしれませんが、家に帰ったら子どもと向き合い気持ちが戻ってしまいます。鬱病患者が「元気出して」「頑張って」と励まされても「これ以上どう頑張れって言うの」と追い詰められる心の状態と似ていますね。

そんなときは今の辛さ、悩みを自分のことのように感じてくれるママに話を聞いてもらった方がいいかもしれません。

「ううん、わかる、わかる。その気持ち。うちも全く同じ状況よ」と言われた方が「ああ、私だけじゃないんだ」と思い気分が上向きになったり、どこのオムツがいいだとか、夕飯作るの面倒だとかどうでもいいことを話したりすることで、案外、心は解放されていきます。

お互い心の内を吐き出すだけでずいぶんと楽になるものです。それは解決することが目的なのではなく、吐き出すことによるストレス発散が必要だからです。

無理にプラス思考にならなくてもよい

“ママは家族を照らす太陽であるべき”とか“前向きに”とか“ポジティブシンキング”の呪縛から解放されましょう。

沸き起こる感情に蓋をしないで、しんどいときは愚痴を言い、悲しいときは泣き、悔しいときは怒る、こんな風に自分の感情を素直に出すことが大切です。

無理して笑顔を作ったり、こうであらねばと課題を課したりすることは、今の自分を否定することになり悪循環に陥ります。

気分転換が問題から目を反らすだけになっていたら、なかなか気持ちは変わりません。

自分の気持ちに悩みを共有できる友達にぶつけてみたり、たわいもないお喋りに興じることって凄く効果があったりするんですよ。

悩みを直視することはむしろ、大切なことなのではないでしょうか。

今は自治体での育児支援が整ってきています。親子で一緒に参加し、同年齢の子を持つ親と交わる機会もたくさんあります。積極的に足を運んでみませんか。


引用元:
子どもが気になって…気分転換できないママの「モヤモヤ解消法」(ニコニコニュース)