医療機関に支払われる診療報酬について、中医協=中央社会保険医療協議会は、ことし4月からの改定案を答申しました。医師の働き方改革を進めるため救急対応にあたる病院への報酬を手厚くするほか、乳がんの患者が予防的に乳房を切除する手術や、ギャンブル依存症の治療などに公的保険が適用されることになります。

医療機関に支払われる診療報酬は、新年度から、◇医師の人件費や技術料などにあたる部分は0.55%引き上げられる一方、◇「薬価」の部分は材料価格も含めて1.01%引き下げることになっています。

これに基づいて、中医協は、7日、個別の診療行為ごとの価格を定めた改定案を取りまとめ、加藤厚生労働大臣あてに答申しました。

それによりますと、▽過酷な勤務環境となっている救急病院の勤務医の働き方改革を推進するため、救急搬送が年間2000件以上の病院には、入院に5200円を加算するとしています。

また、▽遺伝子に変異があり、乳がんや卵巣がんになった患者が新たな発症を防ぐために、健康な状態の乳房や卵巣を予防的に切除する手術や、▽ギャンブル依存症の人を対象とした集団治療プログラムを、新たに公的保険の適用対象にするとしています。

一方、▽凍結されていた「妊婦加算」は廃止され、妊婦だけに限らず、医療機関どうしで患者に関する情報を共有した場合に報酬を支払う新たな仕組みが導入されます。

このほか、▽紹介状のない患者に初診で5000円以上を診察料に上乗せする制度の対象となる病院が、病床数400床以上から、200床以上の中規模の病院にまで拡大されます。

新しい診療報酬は、ことし4月から実施されます。

引用元:
診療報酬改定案を答申 中医協 乳がん予防切除などに保険適用(NHK NEWS WEB)