風疹対策として二〇一九年度から成人男性に配られている抗体検査の無料受診券を使った県内受診者数は、約一万三千人(昨年九月末時点)で、受診券を受け取った約九万四千人の13・9%にとどまっている。流行拡大を防ぐには社会全体の免疫力を高める必要がある。対策二年目となる二〇二〇(令和二)年度の対象者への発送が迫る中、県や市町村には初年度の対象者を含め、受診率を高めるための効果的な働き掛けが求められる。



 厚生労働省は近年の風疹流行について、少年時代に予防接種の機会の無かった四十〜五十七歳の男性は、中学時代に集団接種を受けた同年代の女性などと比べ抗体を持たない人が多いことを一因と分析している。

 そのため、この年代の男性に三年かけて受診券を順次送り、(1)免疫の有無を調べる抗体検査(2)免疫が十分でなく、検査で陰性と判定された際の予防接種−を原則無料で行う対策を講じている。

 初年度は患者が多い四十〜四十七歳(一九七二年四月二日〜一九七九年四月一日生まれ)を対象とし、県内では約九万四千人に受診券が送付された。

 県が各市町村に対策の進ちょく状況を聞いたところ、四月から九月までの半年間に検査を受けた一万三千百二十一人(13・9%)のうち、検査で免疫を持たない陰性と判定されたのは三千七百十人だった。陰性のうち、二千三百三十五人(62・9%)が予防接種を受け、千三百七十五人(37・1%)が接種をしていなかった。

 利用の伸び悩みは全国的な傾向で、国は利用促進のため、二〇一九年度の無料券の利用期限を二〇二〇年度まで延長。市町村に対しては二〇二〇年度に対象となる四十八〜五十三歳が四月以降に市町村や職場の健診で検査できるよう、三月末までの無料券の送付を依頼した。県は対策の意義をホームページで紹介し、市町村に広報紙などで周知に努めるよう呼び掛けている。

 県によると、検査は県内の各病院や診療所など約七百の医療機関で受けられ、無料券の紛失や再発行に関する相談は各市町村で応じるという。県地域医療課の担当者は「風疹に感染しても自覚症状がないまま、妊婦にうつしてしまう恐れもある。受診券が届いた男性は無関係と思わず検査してほしい」と呼び掛けている。



■県内18人感染 前年比2倍 首都圏中心に流行 2019年

 二〇一九年の国内の風疹患者は二千二百八十八人だった。流行の中心は首都圏など大都市部だが、県内でも十八人が感染し、前年の九人から倍増した。県内患者のうち十三人が男性で、三十〜四十代が十一人を占めた。

 今年一月には、いわき市の女性から生まれた男児に難聴の症状があり、先天性風疹症候群(CRS)として県に報告された。CRSは十分な免疫のない母親が妊娠初期(二十週以前)に風疹に感染すると、新生児に難聴や心疾患などの障害を引き起こす。県内では五年ぶり二人目の発症とあって、県や市町村は危機感を強めている。

引用元:
風疹抗体検査受診13.9% 福島県内40〜47歳男性(福島民報)