医療従事者も注目するがん専門医ドラマ
 1月9日にスタートした、ドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』。

 今までの医療ドラマのような派手さはないが、リアルな病状や患者の心理描写などが、SNSでも話題を集めている。中でも注目したいのは、がん治療に実際関わっている医師たちが、このドラマの感想や医療用語の解説などを数多く上げているという点だ。実際に、ドラマの医療監修も現役の腫瘍内科医をはじめ多くの医師、看護師が関わっているという。

【写真】ドラマ『アライブ』松下奈緒と木村佳乃の掛け合い

 前回の記事では、ドラマの主軸になる「がん専門医の腫瘍内科医とは何か」をドラマの企画協力医でもあり、がんの最前線で腫瘍内科医として活躍する日本医科大学付属武蔵小杉病院腫瘍内科の勝俣範之医師に解説してもらった。

 今回は、第2話で大きなトピックスになる「男性乳がん」にフォーカスを当ててみることに。この男性の乳がん、乳がんサバイバーで乳がん啓発活動にも熱心なこの記事の筆者でもある美容ジャーナリストの山崎多賀子さんは、以前からもっと多くの人に認知してほしいと感じていたという。そんな思いも含めて、勝俣医師の解説と合わせて、お伝えしたいと思う。事前にこの情報を知っておけば、よりドラマへの理解も深まるはずだ。

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勝俣範之医師
国立がん研究センターに20年勤務した後、日本医科大学武蔵小杉病院に腫瘍内科を開設。抗がん剤治療の第一人者であり、緩和療法に精通。誤解されがちながん情報をわかりやすく解説する。
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遺伝子検査も必要?『アライブ』でも注目「男性乳がん」の現実
乳がんは女性だけの病ではなかったのだ。photo/iStock
乳房がないのに!? 男性も乳がんになるの?
 日本で一番罹患数が多いがんは、「乳がん」だ。
本日放映の第2話では、男性乳がん患者が登場する。「え!? 男性も乳がんになるの?」と、驚いた人も多いだろう。予告で描かれていた、女性にはなじみの深い乳がんの検査機器・マンモグラフィで、男性が乳房の膨らみがない胸をのばして板に挟まれているシーンはさすがにインパクトが大きく、SNS上でも放映前からかなり話題を集めているようだ。

 乳がんは婦人科がんと並び、女性特有のがんとして紹介されることが多いが、男性も乳がんになることを知らない人は意外と多い。

 「乳がんは乳腺の中で発生しますが、男性にもわずかですが乳腺がありますから、乳がんになる可能性があります。割合は乳がん全体の1%弱と少ないのですが、年間約9万人(2019年女性の罹患数予測は92200人)の罹患者のうち、900人くらいの男性が毎年新たに乳がんになっています。確かに罹患率は女性に比べて低いですが、乳がんは治療期間も長いのが特徴です。そういった意味からも罹患率が低いからと、多くの人に認知されないのは残念に思っています。

 まだまだ、男性の乳がんは症例数が少ないため、女性との違いなどわかっていないことも多いです。ですが、マンモグラフィなどの検査もそうですが、治療も女性の乳がん患者さんと同じにように、手術、放射線、抗がん剤などを組み合わせて行うのが基本です」(勝俣医師)

 じつは、男性乳がんのガイドラインを日本で最初に執筆したのは勝俣医師だ。

 「男性は乳がんにならない」という思い込みが広まる理由は、罹患率が低いこと以外にも、「女性がなるがんになったことが恥ずかしい」、「好奇の目で見られる」などで、妻やごく親しい人以外に病名を打ち明けないケースが少なくない。そのため男性乳がんの存在がより見えづらくなっている一面もあるようだ。

 「多くの男性は乳がんにならないという思い込みから、しこりができても、できものか何かと思い放置してしまい、進行した状態でやっと受診する、というケースもあります。治療が遅れると命に関わります。この点が女性との大きな違いになりますね」勝俣医師。

引用元:
遺伝子検査も必要?『アライブ』でも注目「男性乳がん」の現実(現代ビジネス)