母親が名前を明かさず出産する『内密出産』を熊本市西区にある慈恵病院が今月、事実上導入する意向を示しました。一方、出生届に対応する熊本市は慎重な対応を求めています。同病院が『内密出産』の導入を目指す理由は、病院以外で出産して母子ともに危険な状態となる『孤立出産』を1件でも減らすこと。蓮田健副院長は「『どうしても匿名じゃなきゃ』という妊婦を拒否してしまうと、お母さんにも赤ちゃんにもよくない」と主張します。そこで、従来受け付けていなかった匿名での出産を希望する妊婦からの相談に対応し、病院と妊婦で対話を重ねて妊婦がどうしても『匿名』での出産を臨んだ場合にだけ受け入れたい考えです。「まず相談を匿名で受ける形への方向転換を考えている」と副院長。想定されている手順は、妊婦が「一定の期間をおいて身元を明かしていい」という意思を示せば『新生児相談室』の室長が身分を証明するものを確認。病院は仮名で対応し、室長だけが赤ちゃんの出自を知る状態になります。一方、熊本市は病院と2018年1月から協議を重ねてきましたが「一つの地方公共団体や民間病院で法の解釈だけでは導入は困難」として国に法整備の検討を要望しています。今月の会見で大西市長は「病院側の切迫した状況は理解している」としたうえで「出自を知ることができない状態の子供が出てくるのは非常に大きな課題」と指摘し「事例が先行するのではなく、一緒に課題を解決しながら進んでいくべきだ。慈恵病院には慎重な対応を求めたい」と語りました。副院長は「これまでの市との協議では進展がなく、民間で事例を作って、そこから始まることも考えられる」としながらも、26日までに内密出産は行われていないということです。

引用元:
『内密出産』目指す慈恵病院 その背景と課題は(TKU-NEWS)