目次
・臨月になると起こる症状
・出産が近いかも? よくある7つの兆候
・いよいよ出産間近! 3つの出産直前の兆候
・出産の兆候に似た要注意症状とは?
・出産の兆候が出て慌てないために
・まとめ

臨月に入り、出産間近ということで、お母さんは体の変化に気づくことも多いでしょう。

大きくなったおなかが下に降りてきた、胎動が少なくなった、食欲が増した…。これらはすべて、出産へ向けてお母さんの体が準備に入っている証拠です。

ここでは、10の出産の兆候について詳しくご紹介しましょう。


【医師監修】出産の兆候ってどんなもの? よくある10の兆候【監修】
成城松村クリニック院長 松村圭子先生

婦人科専門医。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学付属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。女性の「体の健康」「心の健康」のために、一般の婦人科診療だけではなく女性のあらゆる面をトータルにケア。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。

著書に、『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など多数。



■臨月になると起こる症状

臨月とは

臨月とは、妊娠36週0日から39週6日をさします。いよいよ出産間近となり、妊婦健診も週に1回となります。

昔から「うみづき」と呼ばれますが、産科が出産に最も適した期間とする「正産期」は妊娠37週0日から41週6日のため、前後1〜2週間の差が生じます。

そのため、臨月期間中とはいえ、妊娠36週での出産は早産という扱いになります。


臨月になると起こる症状

出産を間近に控える臨月となると、次のような症状が出始めます。


おなかが張りやすくなる

お母さんの体は徐々に出産準備を始めます。頻繁に子宮が収縮するようになり、おなかが張るように感じる回数も増えます。
下腹部がキューっと締め付けられるように感じてつらいですが、「出産の予行演習」と思って乗り切りましょう。


胎動が少なくなる

おなかの中の赤ちゃんも生まれる準備を少しずつ始めています。
赤ちゃんは徐々に下に降りてきて、お母さんの骨盤に頭が入ります。すると、それまで元気よく動き回っていた赤ちゃんも動きにくくなるので、胎動が少なくなるのです。
ただし、1時間以上胎動を感じない場合は、赤ちゃんの具合が悪いなど別の理由も考えられますので、医療機関に相談しましょう。


参考サイト:
日本産婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドラインー産科編2017」



食欲が増す

先に紹介したように、臨月に入ると赤ちゃんが徐々に下へ降りてきます。すると、胃などの消化器官が赤ちゃんに圧迫されなくなるため、以前と同じ食欲が戻ってくるのです。


腰痛がひどくなる

赤ちゃんが大きくなるにつれておなかが前にせり出し重心が前になるため、お母さんの体はバランスを取るために、いつも腰を反らせた状態になります。
さらに、出産が近くなると、赤ちゃんが生まれやすいように骨盤周りの関節や靭帯がゆるくなるため、腰や背中への負担が一層増します。
そのため、臨月になると腰痛がひどくなるのです。

恥骨周辺が痛くなる

前述したように、間近に迫った出産に備え、骨盤周りの関節や靭帯がゆるくなります。そのため、恥骨周辺の股関節もゆるみ、その影響で痛みが出るようです。


■出産が近いかも? よくある7つの兆候

兆候1:おりものが変化する

赤ちゃんが産道を通りやすいように、白く水っぽいおりものが増えます。

ただし、同じ水っぽくてもチョロチョロと出続ける場合は注意が必要です。もしかしたら、何かの理由で赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、破水が始まっている可能性もあります。

少量の破水はおりものと区別がつきにくいので、心配な場合はかかりつけの産科医に相談しましょう。

また、おりものに粘りのある血が混ざっていたら、出産が間近に迫っているのかもしれません。この血は「おしるし」と呼ばれ、子宮口が開き始めたり、子宮が収縮した時の出血かもしれないからです。

兆候2:下痢をする

妊娠中のホルモンバランスの変化によって、下痢が起こることがあります。

妊娠中だと、「胎児に影響はないのかしら…」「流産・早産するのでは?」と不安に感じるでしょう。一時的で急性な下痢なら心配はありません。

ただし、嘔吐(おうと)が伴う、1日に何度もおなかが下る、1週間以上下痢が続くなどの症状の場合は、食中毒などほかの病気の可能性があるので、医師の診察をおすすめします。


兆候3:はき気

妊娠初期に一旦は終わったつわりと同じような症状が、後期に再び始まることがあります。俗に「後期つわり」と呼ばれるものですが、おなかが大きくなったことで胃が圧迫されたり、寝不足によるストレスが原因ではないかといわれています。

ただし、このはき気に思わぬ病気が隠れている可能性も。

妊娠で増加する黄体ホルモン、プロゲステロンによって下部食道括約筋がゆるみ、胃液が食道へ逆流しやすくなります。そのため、「逆流性食道炎」を発症し、はき気や胸焼けといった症状が出るのです。

また、高血圧となる「妊娠高血圧症」、高血圧に腎機能障害、赤ちゃんの発育不全なども伴う「妊娠高血圧腎症」を発症した場合も、はき気や嘔吐を感じることがあります。

重症化する場合もあるので、これら妊娠高血圧症候群が疑われる場合は、かかりつけの産科医にすぐ相談を。


兆候4:昼間に眠気を感じる

おなかが大きくなるにつれ、寝返りや仰向け寝ができなくなり、睡眠不足になる妊婦は少なくありません。

また、おなかが大きく重くなったことで、妊娠前より体力を消耗し、疲れやすくなっているのでしょう。そのため、昼間でも眠気を感じることが多くなるのかもしれません。

兆候5:便秘しやすくなる

妊娠後期となると腸は大きくなった赤ちゃんに押され、うまくぜん動運動ができなくなります。そのため、便秘しやすくなるのです。

妊娠中からの便秘は出産後にも悩まされることが多いので、十分な水分をとる、繊維質の多い野菜など食材を多く取り入れるなどして、うまく便通をコントロールできるように心がけましょう。

便秘が続くと痔に発展する場合もあるので、そうなる前に医師に相談を。妊娠中でも処方してもらえる便秘薬はあります。


参考サイト:厚生労働省 ヘルスケアラボ「Q.便秘がつらいです。」



兆候6:トイレが近くなる

出産間近になって赤ちゃんが下に降りると、膀胱(ぼうこう)が圧迫されてトイレが近くなります。

尿意のコントロールも難しくなるので、場合によっては尿漏れをしてしまうことも。パットなどを当てて対応しましょう。


参考サイト:厚生労働省 ヘルスケアラボ「Q.妊娠中や産後の尿漏れが気になります。」



兆候7:前駆陣痛

本陣痛の予行演習ともいえる「前駆陣痛」を感じ始めるのも臨月の頃からです。子宮の収縮によっておなかが張るような感覚がたびたび起こるようになります。

では、本陣痛と前駆陣痛の違いは何でしょうか? 大きく分けて次の3つです。

・張りの感覚は一定ではない。
・それほど痛みが強くない。
・痛みが徐々に収まっていく。

おなかの張りや痛みを感じた時、その間隔を計るのが一番わかりやすいでしょう。もし、痛みが一定の間隔である、1時間に6回以上ある場合は、本陣痛かもしれません。

その場合は、入院準備をして、産院へ連絡しましょう。



引用元:
【医師監修】出産の兆候ってどんなもの? よくある10の兆候(ウーマンエキサイト)