富大グループ 解析結果まとめる



 妊娠前にみそ汁やヨーグルト、納豆といった発酵食品をよく食べていた女性は、ほとんど食べなかった人に比べ、妊娠三十四週までに赤ちゃんが生まれる「早期早産」のリスクが三〜四割低かったとの解析結果を、富山大の斎藤滋教授らの研究グループがまとめた。


 早期早産は子宮内の細菌感染が主な原因とされ、赤ちゃんに障害が残る恐れもある。グループは「具体的な作用は不明だが、乳酸菌や納豆菌などが免疫力を高め、細菌感染を防いでいるのではないか」とみている。


 グループは、環境や化学物質が子どもの健康に与える影響を調べる環境省の「エコチル調査」に参加する女性約十万人のうち、早産の経験がある人や、糖尿病、高血圧など早産リスクが高いとされる人、前置胎盤など人工的に早産となる可能性がある人を除いた約七万八千人のデータを分析。


 みそ汁をほとんど飲まない人、週一、二日飲む人、週三、四日の人、週五日以上の人に分け、グループ間で年齢や体格、喫煙の有無などの生活習慣を考慮してデータを補正した結果、ほとんど飲まない人を一とした場合の早期早産のなりやすさは、週一、二日の人は〇・五八、三、四日は〇・六九、五日以上は〇・六二だった。


 ヨーグルトと納豆でも、ほとんど食べない人を一とした場合、ヨーグルトを週五回以上食べる人は〇・六二、納豆を週三回以上食べる人は〇・六〇だった。


 グループの伊藤実香診療助手は「今回の調査では実際に食べた量との関係は分からないが、妊娠前の女性への指導で早期早産を防げるかもしれない。引き続き詳しく調べたい」と話している。


 三十四〜三十六週に出産し、細菌感染の影響が比較的小さいとされる「後期早産」と、これらの食品との関連は見られなかった。








引用元:
早産リスク 3〜4割低下 妊娠前の発酵食 摂取(中日新聞)