産後ケアをより多くの人に

愛知県岡崎市井内町の「産後ケア施設 ははのわ しほ助産院」は、父親が育児を学ぶ新たなプログラム「パパなる合宿」を始めた。日帰り1日コースと1泊2日コースがあり、母親は休養を主にしながら育児で気になる部分を教わることができる。 (細谷真里)

 男性の育休取得は、厚労省の「平成30年度雇用均等基本調査」によると、全国平均で6.16%とまだまだ少ない。核家族化も進み、母親がたった1人で育児を負担するケースが多く、産後うつにつながることも少なくない。実際に育児の方法や手順を知ることで、父親も共に育児をするきっかけにと企画した。

 18日に日帰りで育児の基礎を学ぶコースを申し込んだのは、岡崎市若松東二の藤田真輝(まき)さん(28)、遥さん(28)夫妻と生後1カ月の長男飛羽(とわ)ちゃん。真輝さんは美容院のオーナーで深夜帰宅が多い。「いつも帰宅すると家事育児が終わった状態で(飛羽ちゃんが)眠っていることが多い。抱っこしたこともあまりなかった」と話す。

 飛羽ちゃんが生まれ、3歳の長女と2人の育児になってから、遥さんに笑顔がないことが多いと感じていた。「笑顔でいてもらうのが一番大事。休日や時間が合う時だけでも何か育児ができないか」。そう遥さんに話したところ、この合宿を友人から紹介してもらい、参加を決めた。

 遥さんは、しほ助産院で久々にのんびり過ごした。その間、真輝さんは赤ん坊の抱っこやオムツ替え、授乳介助を、助産師や看護師ら専門家に指導してもらいながら学んだ。

沐浴(もくよく)を学ぶコーナーで真輝さんは、服を脱がせるところから練習。ベビーバスに飛羽ちゃんを寝かせ、泡で身体を丁寧に洗っていった。看護師が「耳の後ろ、膝の裏などもしっかり洗ってあげて」とアドバイスした。背中を洗うため、飛羽ちゃんを抱き上げるのに苦戦した真輝さん。終始泣くことなく気持ちよさそうにシャワーを浴びる飛羽ちゃんの様子に、最後はほっとした笑顔を見せた。

 1日のプログラムを終え「こんなに大変だとは知らなかった」と振り返った真輝さん。「基礎から学ぶ機会がなかったので参加して良かった。早速子育てをサポートしていきたい」と意気込んだ。遥さんは「ゆっくり休むことができてありがたかった。抱っこひもの着け方などが正しいか心配な部分もあったので、プロの方々に教えてもらえたのもよかった」と話した。

 「合宿」は産後4カ月ぐらいまでの赤ちゃんがいる家族が対象で、日帰りか1泊2日を選ぶ。妊娠28週以降の夫婦に向けた講座も開いている。しほ助産院を経営する野田志保さん(46)は「産むのは女性だが、授乳以外の育児は男性にもできる。合宿が父親の育児を促す『パパスイッチ』を入れるきっかけにもなれば。産後ケアを、より多くの人に知ってもらう機会にもなったらうれしい」と話す。(問)しほ助産院=0564(58)1567

(2019年11月20日)


引用元:
岡崎市で「パパになる合宿」 抱っこから沐浴まで伝授(オピ・リーナ)